愛と幻想のふぁしずむ

カルラ、その愛ゆえに ―その7―

 

 

 

「せ、聖上・・・・。」

 

トウカが瞳を潤ませ、私を見つめてくる。

 

「そ、某で・・・某なんかで宜しいのでしょうか・・・?」

 

「トウカ・・・・まろについてきてくれるでおじゃるか・・・?」

 

「・・・・はい!・・・ありがたき・・・幸せ・・・。」

 

ぶちッ。

・・・・・・・・・・・・・・ぶち?

・・・・・・・・・・・・・な、なんでおじゃる?今の音は??(滝汗)

相変わらず重苦しいムードが漂っている侍3人衆はというと、

呆気にとられていたクロウが、ようやく我に返ると

 

「そうっすか!総大将、おめでとう御座いやす!!」

 

喜びに膝をうって暢気に笑いながらそう言った。

 

『バカ・・・・!クロウ、やめるんですッ!』

 

哀れにもベナウィの言葉が耳に入ってなかったクロウは

上機嫌に言葉を続ける。

 

「いやぁ〜!これでこの國も安泰ですなぁ〜ガハハ!

 エヴェンクルガのトウカ殿との御子であればさぞ・・・・

ゴキンッ♪

 

「ぼひぶぁッ!?」

 

「・・・南無。」

 

オボロが合掌する。

・・・・あぁ・・・クロウの首が曲がってはいけない方向に・・・。

ススススス・・・・。

斥候衆の1人がそっとベナウィに耳打ちする。

 

『・・・ベナウィ様。』

「・・・何事です?」

『賊が2人程、入り込んだ模様です。』

「・・・ほっておきなさい。心当たりはあります。

 ・・・・・それに、今それどころではありませんので・・・。」

『ハッ。』

 

クロウを粛清したウルトが、無言のまま私の前に立ちはだかる。

 

「あ・・・あのウルト・・・?」

 

「・・・ハクオロ・・・・・どうして?」 ゆらり

 

「ど、どうしてって言われても・・・・

 ひ、人の群れが運んでくるハピネス(幸福)でおじゃるから・・・。」

 

「私に子供を授けてくれるって言ったじゃないですか〜!!」

 

「い、言ってへんッ!そんなん言ってへんがなッ!!」(;´Д`)

 

「許せないッ!よりによってノーマーク爆牌党(謎)だったトウカさんに手を出すなんて

 ・・・・悔しいッ・・・・!!

 

悔しさに顔を歪ませながらさりげなく大封印【オン・リィヤーク】

呪文を唱えているウルト・・・・ちょっと待て、國が吹っ飛ぶ・・・。

 

「うちも子供欲しいって言うたやんか〜〜!!」 がおー!

 

「ひぃぃ!!ユズハッ!?落ち着け!!」

 

嫉妬の鬼と化したヘ●ン・ケラーがヒステリックに襲い掛かる!

可愛い子ほど怒ると怖いとは言うが・・・何故に関西弁なんだ・・・?

 

リバースアームクラッチスラム      【ハクオロ様♪】

バックドロップ                  【ユズハは♪】

ジャーマンスープレックス       【ハクオロ様を♪】

パワーボム               【御慕い申して♪】

ジャイアントスイング          【おります♪】

 

「アリよさらばッ!?」

 

ユズハにワンダフル・メキシカン・コンボを極められ悶絶していると、

ふと傍らに佇んでいるアルルゥに気がついた。

 

「ア・・・アルルゥ・・・。」

 

「おと〜さん・・・・アルルゥ・・・捨てるの?」

 

「ブッ!?ち、違うッ!!そうじゃなくて・・・。」

 

「おと〜さん・・・アルルゥのおと〜さんじゃなくなるの?」

 

「だから・・・・私はいつまでもアルルゥのお父さんだよ。

 (・・・・って言うか、もともと父じゃないんだけどなぁ・・・。)」

 

「やだぁぁ・・・やだぁ・・・・!」

 

メソメソ泣くアルルゥ・・・どうして私の周りの女性は

こうも落ち着きがないのだろうか・・・・?

 

「ムックル・・・おと〜さんにお仕置きして!」

 

『グルルル・・・・。』

 

ゲッ!?

王座の隅に寝そべっていたアルルゥのペットであるムックル(リアル・ムティカパ)が

うなり声をあげてのそりのそりと近づいてくる!

 

「まままま待てッ!シャレにならん!死ぬっつーの!!」

 

『ガオォォッ!!』

 

「うぉぉぉぉ!?」

 

まだ背中にしがみついていたユズハを抱きかかえたまま、必死に逃げ惑う私。

あぁ・・・・まさに生き地獄。

そ、そう言えばトウカ・・・トウカはどうした!?

一応助けてくれたっていいじゃないか・・・・!

・・・・トウカ・・・?

 

「ぽわ〜〜〜ん♪某・・・お母さんって呼ばれるで御座るか・・・。

 男(おのこ)で御座ろうか・・・?それとも女(おなご)で御座るかな?

 聖上と御子と一緒に・・・釣りして、御飯食べて・・・えへへぇ・・・。」

 

駄目だ・・・彼女は妄想の世界に浸ったままトリップCHU。

 

ダァンッ!!

 

ビリビリ・・・・!

シィ・・・・ン。

凄まじい衝撃に内殿が振動する。

・・・・カルラが支柱に掌を叩きつけた音であった。

 

「みなさん、静かにして頂けないかしら?」

 

カルラが淡々とした口調でみなを諭す。

そこへ嫉妬の鬼と化したエルルゥとウルトが喧々轟々と噛み付く。

 

「そ、そんな事言ったって!私、納得出来ませぇ〜〜ん!」

 

「そうですよ!カ、カルラさんはどうしてそう落ち着いていられるんですか!?」

 

「・・・・・・フフ・・・・無垢なんですね、お二人方は・・・。」

 

カルラが遠い目をしながら、そう呟いた。

 

「え・・・?」

 

「ど、どういう意味ですの・・・!」

 

「あるじ様は、この國の皇ですわよ?

 ・・・・室の1人や2人位、当たり前じゃなくって?」

 

「そ、そんなの・・・!」

 

「・・・・・・・・・!」

 

「エルルゥ・・・貴女にとっては間違った事かも知れませんけど、

 ・・・それが國を治める皇ともなれば・・・・。

 それを理解出来ない程、貴女も馬鹿ではありませんわね?」

 

「ま、間違ってます・・・そんなの・・・・!」

 

「ウルトも・・・オンカミヤムカイの皇女でもある貴女には・・・・

 同じ言葉は不要ですわね?」

 

「・・・・・そ、それはそうですが・・・・!」

 

ウルトが何やら小さな声でゴニョゴニョ文句を言っている。

 

「・・・・・ただ。」

 

ズズズズズズズズ・・・・。

突如、今まで何も感じなかったカルラの周囲から凄まじい怒気が・・・・。

 

「あるじ様・・・・どうして私が怒っているのか御分かりになられて?」

 

「ヒィッ!?やっぱり怒ってるでおじゃるかぁ!?」

 

「あるじ様が室を持つ事に・・・・私はとやかく言うつもりは御座いません・・・。

 ・・・・ただ・・・あるじ様の御子は・・・・私が一番最初に生みとう御座いましたわ・・・。」

 

「は、はぁ!?」

 

「しかも・・・・よりによってトウカさんとだなんて・・・・・・。」

 

「だ、だからこれは不可抗力でおじゃるよ〜!!」

 

険しい表情をしたカルラが私に歩みよる・・・・。

いやぁ〜〜!!クーヤたん助けてたもれぇ〜〜!!

グイッ!

物凄い力で襟首を掴まれ、引き寄せられる。

(ひ、引き千切られるでおじゃるかッ!?)

 

ちゅ〜〜〜♪

 

「ん〜〜〜〜〜〜♪」

 

し〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜ん。

 

熱烈な接吻。

 

「・・・・・・・・・。」

 

「・・・・・・・・・♪」

 

「プハァッ!?・・・・カ、カルラ!?」

 

「うふふ・・・・。」

 

カルラはいつもの妖悦な表情で私の胸にしなだれかかる。

 

「・・・・・・カ、カルラさん・・・。」(怒)

 

「・・・・羨ましい性格ですわ・・・。」

 

「クケェーーーッ!!き、貴様ッ!某の旦那様に何をする!!」

 

ようやくこちらの世界に戻ってきたトウカさんが吼える!

 

「まぁ・・・私は、別に側室でも宜しんですけどね・・・・・。

 ・・・・・とりあえず、最後のジャッジが済むまでは・・・・。」

 

「最後のジャッジ?」

 

カルラが顎で指した方には、何時の間にかヨボヨボの老婆が佇んでいた。

 

「あ・・・あれは・・・・?って、おわッ!?

 

「ハクオロさん!私を正室にして下さい〜!!」

 

「ハクオロ皇!返してッ!私のフミルィルを返して!!」

 

「なめとんかぁ〜?ホンマなめとんかぁ〜〜〜?

 

 うちはアンタの、おもちゃやないで〜〜♪」

 

 『ユ、ユズハァ〜!!頼むから激しい運動は・・・へぶんがッ!?

   『わ、若様ッ!・・・大変!グラァ、求心を・・・早くッ!』

   『ド、ドリィ!今手元にヒサヤしか無いよ〜!』

 

「・・・・意味分かんないけど・・・・おと〜さん♪むふぅ〜。」

 

「おじ様ぁ〜!・・・・うふふふ・・・血を頂戴♪」

 

私を慕う?女性軍が一斉に私に覆い被さってくる!

 

「ま、待て!そんな一度に来られても私は相手出来ないぞ・・・・おっほっほっほ♪」

 

カシャーーーーーン。

・・・・・・・・ん?

 

玉座の間の入り口に、誰かが佇んでいた・・・・。

逆光でよく見えないが、女性・・・・しかもかなりの美人と見た!

 

「ん、誰でおじゃるか?」

 

『・・・・・・・・・。』

 

「そんな所に突っ立っておらずに、ほれ♪もっと近う寄れ♪

 

『・・・・・・・・・。』

 

「どうした近うよらぬか?」

 

私は押しくら饅頭のような彼女達の群れを伏腹前進で抜け出すと

その女性の前へと歩み寄る・・・・その直後

陽の御神が雲に隠れ、その人物の姿がはっきりと私の視界に現れた。

 

!?

 

「ク、ク、ク、クーヤたんッ!!」

 

思わず素っ頓狂な声を張り上げる私。

 

「・・・・・・・ハクオロ・・・・・。」

 

ギャーギャーワイワイッ!!

何故?

WHY??

茜ですと???

 

「あ・・・・あ・・・・あの・・・何故・・・ここにオワシマスので??」

 

「・・・・・・・余は・・・そなたに・・・・。」

 

「聖上♪」

 

しなりしなり。

うっとりとしたトウカが私とクーヤの間に立つ。

 

「あの老婆はこの國一の名産婆だそうです。

 カルラ殿も粋な事を・・・うふふふ・・・・。

 あ、聖上・・・某との御子の名は如何致しましょうか?えへへ♪・・・うぷ・・えへへ♪」

 

・・・・・・・・・・・・・・・・。(滝汗)

 

クーヤはその場に屈みこみ、足元に落ちていた箱に手を伸ばした。

開いた蓋の中からは、黄金色の硝子の破片が幾つか零れ落ちていた・・・。

 

「あの・・・ク、クーヤたん?」

 

「折角余がハクオロに持ってきた土産が・・・割れてしまったな・・・・。」

 

「い、いつトゥスクルに来たの・・・?」 カクカク

 

「先日の貿易団にまぎれて来たのだ・・・・・。」

 

「・・・・・・・・・・・・・・。」

 

「・・・・・・・・・・・・・・。」

 

「剣奴(ナクァン)カルラ!一気しますわよ!!」

 

「おぉぉ!!」

 

「カルラさんの・・・ちょっと良いトコ見てみたい!」

 

「大きく三つ!」

 

パンパンパンッ!

 

「おまけに三つ!」

 

パンパンパンッ!

 

「それイッキーイッキーイッキーイッキー!!」

 

・・・・・なんで何時の間にか酒盛りになってるの・・・?(汗)

 

・・・・・・・・・スッ。

破片を拾い終わり、立ち上がったクーヤはその場で踵を返した。

 

「お、おいッ!クーヤ・・・!?」

 

「・・・・・・もう余は帰るぞ。」

 

「い、今来たばかりじゃないか・・・。め、めしでも食っていかぬか?」

 

「・・・・・・よい。・・・邪魔したな。」

 

「ク、クーヤたん!!」

 

「・・・・・良かったな、ハクオロ。正室と御子が出来て・・・・!」

 

!?

 

一瞬こちらに振り返りキッっと睨み付けてきたクーヤの目には大粒の涙が・・・・・。

タタタタタタッ!!

 

「ク、クーヤ・・・!待っ・・・!

 

「ハ、ハクオロさぁぁ〜〜ん!」 ガタガタ

 

「ぬわっ!?サ、サクヤたん!?」

 

王座の間を出た矢先でサクヤが体育座りで怯えていた。

 

「ど、どうなっても、知りませんよ〜〜!?」

 

「はい・・・・?」

 

「あ、あんなクーヤ様、初めて見ましたよ〜!!この國、滅んじゃいますよぉぉ!!」

 

「・・・・・・ま、まさか・・・・。」

 

「そうですよ〜〜!!貿易船の船倉には・・・・・!

 

・・・・・・・・・・・・・・。

キュイーーーーンッ!!

ガキーンガキーンッ!!

(アンビリカル・ケーブル接続!)

(神経接続完了!シンクロ率、現在80%!)

 

『アヴ・カムゥ!・・・・リフトッ!オフッ!!』

 

グォォォォォォオオオオオオオッ!!!

 

 

國が消え、愛人達が去り、傷心のハクオロに少女が微笑む。

彼女のさわやかな風のような笑顔にとけこむハクオロ。

だが彼らには苛酷な運命がしくまれていた。

次回「最後の痴者」

 

この次もぉ!サービスサービスゥ♪

うふふ・・・サービスするわよ♪

そ、某がさあびす致す!

わ、私だってサービスします!!

うち脱いだらスゴイねんで!

私が一番スタイルが良いのよ。

うにゅ〜!お姉様には敵わないよぉ!

・・・・お姉ちゃんには勝つ。

ドリィには負けないもん!

グラァには勝ってるもん!

お前ら男だろうがッ!!

・・・しかし次回予告から随分下までひっぱりますね・・・・。

大将・・・上のやつ、次回予告なのか・・・・?