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特級ッ!難解電哲 【ラピードα】

FM003 月島瑠璃子・前編



『押すなってのっ!!』

 

『おいっ!刺すなよ!』

 

イテェッ!!・・・だ、誰だよッ!今カンチョウしたヤツはっ!!』

 

『はわわわ!え〜、焼きそばパン3つと・・・はわわ!』

 

ギャーギャー!!

購買も食堂からあぶれた生徒達で既に満員御礼だった。

 

「うわ・・・こっちもそうとう厳しいな・・・。」

 

「やっぱり時間的に厳しい時だからぁ〜。」

 

苦笑しながら沙織ちゃんが一歩前へ踏み出す。

 

「さ・て・と♪一丁いこっかな♪」

 

「・・・・あ!沙織ちゃん。俺が適当に何か買ってくるよ。」

 

「え?・・・あははっ!大丈夫だよ〜。慣れてるし。」

 

「な、慣れてるっていっても、この人ごみじゃ・・・。」

 

「裕くんはサンドイッチでいいかな?」

 

「えっ!?いや、いいよっ!!俺がまとめて買ってくるから・・・。」

 

「えへへ。裕くんってやっさしぃ〜♪・・・じゃあ2人でいこっか?」

 

「やれやれ・・・。」

 

ここでこんなやり取りをしてても仕方がない。

目の前のボコスカウォーズ集団は激しさを増すばかり。

・・・・しょうがない!

仕方なく2人で怒涛の群れにつっこむ。

 

『誰だよ〜!焼きそばパンにツバつけてんのはっ!?』

 

『ちょ、ちょっとぉ!アタシのお尻触んないでよー!!』

 

「ぐぉ!さ、沙織ちゃん!?居るっ!?」

 

『事故やぁ〜!!バヤリースや思ったら、ネーポンじゃないっすかっ!!』

 

「裕くんッ!こっちこっち!カレーパンが残ってるけど、要る〜?」

 

『そんな事より聞いてくれよ>1よ この前近所の吉野家へ行ったんです・・・

 

「・・・あぁ!頼むよ!こっちは野菜サンドイッチがあるけどっ!?」

 

『おっとっこ〜ならかけ〜ろ〜、せ〜い〜し〜をかけ〜ろ〜』

 

「あ、それ欲しいっ!よろしくね♪って、わわわ!」

 

『はわわ!す、すみませぇぇぇ〜〜〜ん!』

 

『はいよっ!おつり300万円っ!!』

 

『うるせー!ババァ!殺すぞっ!!』

 

・・・・・・・・・・。

・・・・・・・・・・・・。

 

「ぜぇ・・・ぜぇ・・・・。」

 

「イタタ・・・足踏まれちゃった〜。」

 

なんとか昼食をげっちゅ出来た。

 

「さ、沙織ちゃん、大丈夫かい?」

 

「うん、平気だよぉ。裕くんこそ、慣れてないでしょ?」

 

「ま、まぁここほど酷くはなかったからねぇ・・・・。」

 

とりあえず購買部を離れて、沙織ちゃんに昼食場所を案内してもらった。

南棟の『ガーデン』って呼ばれている場所らしい。

 

「『ガーデン』は日が当たってぽかぽかだし、綺麗な花が沢山あるんだよ♪」

 

「ふ〜ん、要するに庭園みたいになってるの?」

 

「そこまで大げさじゃないけど、結構沢山人が集まってるよ。」

 

ふ〜ん・・・・・。

・・・・・・ん?なんだあれ・・・?

廊下を歩いていると、ふと前方から・・・・。

 

シェフが。

 

「・・・・・えっ!?」

 

正直自分の目を疑ったが・・・現実に・・・

高級料理店とかに居そうな・・・シェフがこっちに来る・・・・。

シェフはよくありがちなカートを押しながら歩いてくる。

ガラガラガラガラ

カートの上には高そうな銀食器。様子からみて既に食後のようだ。

 

「・・・・・嘘だろ?」

 

ガラガラガラガラ

焦る俺の横を事も無げにシェフが通り過ぎる。

ガラガラガラガラ・・・・

 

「さ、さ、さ、沙織ちゃんっ!?み、見てただろ!?」

 

「・・・・・・・うん。」

 

「な、何あれ?」

 

「裕くん。今のは、あまり気にしない方がいいよ・・・。」

 

「気にするなっていうのが無茶だっ!どうみても、レストラン・・・!?」

 

「あれはね、うちの生徒会長の昼食なんだよ。」

 

「はぁ〜!?」

 

生徒会長の昼食・・・!?

昼御飯がシェフ・・・・運ぶ・・・・高級料理・・・・校内で・・・・。

 

「って、言う事はさ。さっきのシェフがわざわざ生徒会長ってやつに

 ああいった昼食を運んでたって事かい?・・・いや、もう食べたんだろうけど・・・!」

 

「あまり大きな声で言えないけど、うちの生徒会長って・・・・ちょっとなの・・・。」

 

っていうか・・・オカシイんだけど・・・・。」

 

「裕くん、関らない方がいいから。ね?」

 

「ま・・・まぁ、どうでもいいけど・・・どこの御曹司だろう?」

 

・・・・やはり変わってるよこの高校・・・・。

 

― ガーデン ―

わいわい

 

「これは驚いたよ!いいとこだね!」

 

「でしょう♪私ここ、大っ好きなんだぁ〜♪」

 

小規模な庭園といった具合だろうか。季節柄、色とりどりの花が咲いていて

どこかの自然公園かと思ってしまうほど、ゆったりとしている。

・・・正直な話・・・俺一人だと恥ずかしく気不味いけど・・・。

 

「ここだったらゆったり本を読めそうだよ。」

 

「えへへ。とりあえず御飯食べない?」

 

少し照れながら沙織ちゃんが袋を開ける。

 

「あ、ごめん。当然お腹すいてるよね?」

 

「も、もう!裕くんってダイレクト過ぎっ!!」

 

とか、言いながら既にサンドイッチを食べている沙織ちゃん。

さてと、俺もお腹減ったし。食べるとするか・・・。

 

・・・・ッ!!!

 

カレーパンを口に入れようとしたその時、

ふと、校舎の屋上が気になったので目線を移してみると・・・・

屋上に女の人が・・・・!

しかも明らかにフェンスよりもこちら側にいるって事は・・・・!!

・・・・・ガーデンの周囲を見回すが、まだ誰も気付いてないみたいだ。

 

自殺だ・・・!!

 

・・・・・・・・・・

実際の話、前いた高校ではノイローゼで飛び降り自殺した生徒がいた・・・・・・。

世間一般で言う受験によるプレッシャーってやつだ・・・。

全国屈指の進学校なだけに・・・闇に葬られている事実もある・・・。

・・・・・・・・・・

 

教師に連絡・・?・・・ダメだっ!それでは間に合わないっ!!

体が勝手にバネのように動く!

 

「っ!?ひょ、ひょっと裕ふんっ!?どこへいふのっ!?」

 

「ごめんっ!沙織ちゃん。すぐ戻るっ!!!」

 

間に合うだろうか・・・!?

ハァ・・・ハァ・・・ハァ・・・

階段を全力で駆け上がる!

5階屋上まであと少しだ・・・!!

・・・・・バァンッ!!

屋上のドアを力任せに開け、転がるように飛び出した。

 

「ハァッ!ハァッ!ゴホッ!!」

 

・・・女の子は・・・さっきの女の子は・・・・!!

・・・・いた!!

やはり、安全フェンスを乗り越え、ギリギリの場所で佇む女の子。

後姿しかこちらには見えないが、空を見上げてふらふらとしている。

・・・・この場合は・・・いきなり大声をかけない方がいいんだっけ?

 

「お、おーい。な、何してんだい?」

 

ドキドキドキドキ・・・・・

俺の呼びかけに女の子が反応し、ゆっくりとこちらに振り返る・・・・。

・・・・・っ!?

驚いた・・・。

何に驚いたかと言えば、その子の容姿にだ。

・・・アンティーク人形のように細く、美しい・・・。

ごくり。

思わず息を飲んだ・・・。




 

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