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特級ッ!難解電哲 【ラピードα】

FM007 朝のマンデルブロー情景

 


キ〜ンコ〜ンカ〜ンコ〜ンイ〜アル〜カン〜フ〜♪

わいわいがやがや

 

『おはー♪昨日のドラマ見たぁ〜?』

 

『お〜い、今日の昼飯代貸してくれ〜。』

 

・・・・パタン。

俺は読みかけの文庫を閉じ、校門の前に佇んだ。

・・・・南海高校に転校してこれが2日目。

まだまだ2日目だ。

これから後1年以上通学するんだな・・・ここに。

幸いクラスにも上手くなじめそうだし、本を読みながら

ひっそりと過ごしていけそうだし・・・・。

などと、夜逃げが意外にも良いベクトルに向き出したのが嬉しくて、

一人満足げに微笑んでいると。

ちょんちょん

・・・・ん?

誰かに背中をつつかれたので、後ろを振り返ると、

月島さんが後ろに立っていた。

 

「あっ!月島さん・・・・。」

 

「おはよう。長瀬ちゃん。」 にっこり

 

「お、おはよう。」

 

「長瀬ちゃん、校門の前で何をしてるの?」

 

「え・・・?あぁ、いや。ちょっと考え事。」

 

「ふ〜ん。そうなんだ。・・・良かったら一緒に電波受信しない?」

 

え・・・。で、でも・・・そろそろホームルームが・・・・」 (汗)

 

「あ、そっか。じゃ行かなきゃダメだね。」

 

そう言うと、突然月島さんは俺の手をとり、校舎へ向かいだす。

 

「ああああ、あの!月島さん・・・!」

 

「・・・?」

 

「そ、そのさ・・・手が・・・その・・・。」

 

「手?・・・・どうしたの?長瀬ちゃんは御友達だからいいの♪」

 

「や、やっぱりさ、人に見られたら恥ずかし・・・

 

「嫌なんだ・・・・」

 

「げっ!?いや、そういう訳じゃぁ!!」

 

「しょぼ〜ん・・・・。」

 

あ、あはははは!友達友達!ボクと月島さんはおともだちだもんね♪」

 

「うん♪いこう、長瀬ちゃん♪」 にっこり

 

・・・・・・小学生か?キミは・・・。(汗)

だけど・・・俺はどうにも月島さんに弱い。 

落ち込まれると、いたたまれなくなってしまって・・・はぁ〜・・・弱ったな。

 

― 2年B組 ―

ワイワイガヤガヤ

 

『昨日は、なんつーかさ、転校生と月島さんが同時に来たからなぁ〜。』

 

『偶然にしては出来すぎってゆーか、ドラマティックレイン?』

 

『・・・意味分かんねーよ、お前。』

 

・・・ふぁ〜あ。

・・・・裕くんまだかなぁ・・・・。

 

『さ〜お〜り〜!』

 

「ッ!?な、なに?美里・・・♪」

 

『見ぃ〜たぁ〜ぞぃ〜!昨日、あんた長瀬くんと一緒に帰ってたでしょ〜!?』

 

「えぇっヤダッ!?・・・・み、見てたの?」

 

『ズルイよ!さおりぃ〜。一人だけ天才クンと仲良くなっちゃってぇ〜!』

 

『あれ?なになにぃ!?昨日の話ぃ〜?』

 

『そうそう、さおりん長瀬くんとラブラブだったもんね〜。』

 

「ち、ちがうよぅ!だってぇみんなクラブじゃない!私一人で寂しかったし・・・

 

『ふ〜ん、弁解ですか?ふ〜ん、ますますアヤシー。』

 

「・・・・うぐぅ。」

 

ガラガラッ!

 

『・・・あっ、月島さんだ。』

 

『・・・ゲゲゲッ!?月島さんと長瀬くん!?』

 

「・・・・あ。」

 

『ちょ、ちょっと〜・・・あの2人おてて繋いでるんだけどぉ〜。』

 

『うっそ〜!もう出来てんの!?あの2人』

 

「・・・・裕くん。」

 

・・・・・・・・・・・・。

 

― 数秒前 ―

てくてくてく〜

・・・冗談じゃないぞ・・・!

月島さんは一向に手を離す気配が無い。

ちょ、ちょっとまって!そのままいくと教室に・・・・!!

わわ・・わわ!!

 

「ちょ、ちょっと!月島さん?もうそろそろ教室なんだけど!」

 

「・・・?」

 

「い、いやだからそろそろ手を・・・」

 

「♪」

 

聞いてねー!!

 

ガラガラッ!

 

・・・・・・・マジかよ・・・・。(涙)

 

!?

 

ザワザワ!

 

案の定、俺と月島さんを見て、クラスの連中はざわついた。

 

『なにあれ?おてて繋いで、2人で登校か?』

 

『・・・あれって転校生じゃん!』

 

『うっそ〜!ショック〜!!』

 

・・・・・痛い・・・痛い反応だ・・・。

冷や汗を流しながら教室内を見回すと・・・・

・・・・・うわっ!?さ、沙織ちゃん・・・!!

数人の女子に囲まれた沙織ちゃんがこっちを凝視していた。

初め彼女はポカ〜ンとしていたが・・・

急に無表情になり、目線をそらしてしまった。

 

「あ・・・あちゃ〜・・・・。」

 

「長瀬ちゃん・・・じゃあまたね。」

 

そう言って月島さんはスタスタ自分の席に向かっていった。

・・・・残された俺は視線の的・・・。

俺か?・・・俺が・・・悪いのか・・・!?

ガラララッ!

その直後、まさに地獄に仏と言わんばかりに包帯女が現れた。 

今日は包帯に付け加え、なぜか薔薇まで挿している。

 

「・・・・あら?貴方、何してんの?こんなとこで突っ立って?」

 

「・・・・・運命的な悪戯に弄ばれたとでも思ってくれ。」

 

「ふふふ・・・面白い男ね。」

 

「俺はともかく、昨日から気になってたんだけど、どうして包帯を顔に巻いているんだい?」

 

「あら・・・そういえばまだ言ってなかったかしら・・・

 ・・・まぁいいわ。今日ゆっくり話してあげる。」

 

「・・・あ、そう。」

 

「大体、今日はゆっくり寝てようと思ってたんだけど・・・

 貴方に用があるから、無理して起きてきたのよ。」

 

「ふ〜ん・・・そう。(汗)・・・って!?俺に用?」

 

「うふふふ・・・じゃあ後でね・・・・。」

 

そう言いながら太田さんはスタスタと自分の席へ・・・。

その直ぐ後に、藍原さんが教室に駆け込んできた。

藍原さんは「う〜!」と俺を睨むと、そのまま自分の席へ。

・・・・??なんで俺睨まれたんだろう?

ようやく俺は自分の席に歩み寄ると、

隣の沙織ちゃんの気配が・・・怖い。

沙織ちゃんは何も喋らない・・・・俺に目線を合わせて来ない。

 

「お・・・おはよう・・・沙織ちゃん・・・。」

 

「・・・・・・・。」

 

「あ・・・あのさ・・・・。」

 

「おはよう。長瀬くん

 

「・・・・あはは。」

 

顔は笑っているが、目が笑っていない沙織ちゃん・・・・。

 

「あ、あのさ・・・あれは月島さんが勝手に・・・。」

 

「・・・・・何の事?私わかんないよぉ。」

 

「・・・・沙織ちゃん・・・怒ってるの?」

 

「怒ってないよ♪」

 

「・・・・だって、さっき『長瀬くん』って・・・

 

「間違えただけだよぉ。裕くん。」

 

「・・・・やっぱ怒ってんじゃん・・・」

 

「怒ってないよぉ!」 バンッ

 

「・・・・はい・・・すみません・・・・。」

 

ぶっす〜。

すっかり不機嫌の沙織ちゃんを隣に、午前中はブルーな授業を過ごした。

・・・・まぁ、授業なんて聞いちゃいないが。

 

『でぇ〜、こうあるから・・・・おい、長瀬くん?』

 

「・・・はい?」

 

『では結局、問3の答えはどうなる?』

 

「・・・問3の回答は・・・『Finally we have to think very carefully how to use such・・・

 

「よ、よろしい。完璧だ。」

 

・・・・ハァ・・・・退屈だ・・・。

 

キ〜ンコ〜ンカ〜ンコ〜ンオ〜ルス〜バン〜♪

 

「あ、あのさ沙織ちゃん・・・・。」

 

「・・・なに?」

 

「お昼御飯一緒に食べないかい?今日こそ食堂でさ。」

 

「・・・・・・。」

 

「あ・・・あははは・・・。」

 

「うん♪分かった。」 にっこり

 

・・・・ふぅ・・・やっと機嫌が治ったみたいだ・・・。

っていうか・・・何で機嫌が悪いんだっけ・・・? (汗)

・・・・・・・・・・・。

今日は急いで食堂に向かったので、上手い具合に席を確保出来た。

俺と沙織ちゃんはとりあえず・・・ウバシャライスを注文する。

 

「すいませ〜ん♪ウバシャライス2つ下さ〜い!」

 

「な、なぁ沙織ちゃん・・・ホントに美味いの?」

 

「おいしーよぉ!ホントだからぁ。」

 

出てきたのは・・・・なんの変哲もない、オムライスみたいなのだった。

お互い向き合って座り、御飯を頂く事にした。

で、肝心のウバシャライスだけど・・・食べてみたら、意外に美味かった。 (笑)

 

「ねぇねぇ、裕くんってさ、前の友達とかどうしてるの?」

 

「・・・前って戸塚のかい?」

 

「うん。引越しちゃったらぁ、やっぱり疎遠になるのかなぁ〜?って。」

 

「疎遠もなにも・・・特に親しい友達なんか居なかったさ。」

 

「え・・!?うそぉ?」

 

「ほんとさ。あそこは全てが競争だからね。友達でも敵って考え方の方が普通なんだ。

 ・・・・・まぁ、一流の大学に行く為には全てを犠牲にしろって感じさ。」

 

「・・・・そうなんだ・・・なんか・・・あまり面白くなさそう・・・。」

 

「・・・!あ、別に、俺はその考え方が良いとも悪いとも思ってないんだ。

 俺は・・・そのぉ、人付き合いよりも本を読んでる方が楽しかったし・・・。」

 

「うわぁ・・・裕くんってネクラだったんだぁ・・・。」

 

「ひ、ひどいなぁ〜!そりゃ悪く言い過ぎだよ。」

 

「アハハ!冗談だよぉ。でも、その割には裕くんって結構喋るよ?」

 

「・・・・まぁ・・ここに来て、結構それも悪くないかなって・・・。

 実際、こんなに女の子と話したのって、沙織ちゃんが初めてなんだ。」

 

「・・・・・。」 かぁぁぁ

 

「・・・・・。」 かぁぁぁ

 

・・・なんか・・・急に恥ずかしくなってきた・・・。

 

「あら。お楽しみのところ御免なさぁい。」

 

ドン

 

『ぐわっ!?』

 

突然横に座っていた男子生徒が吹っ飛ばされ、太田香奈子が乱入してきた。

何故か牛丼片手に力強い彼女。

 

「お・・・太田さん・・・・何か用かい?」

 

「用があるから来てるんじゃない。・・・あら?ウバシャライス?」

 

そう言って、俺のウバシャライスを勝手に箸ですくって食べる・・・・。

・・・・なんて女だ・・・。

対面の沙織ちゃんは何故か羨ましそうに見ている。 (汗)

 

「お、おいっ!勝手に食べるなよ!」

 

「あら、意外にせこいのね。分かったわ。私の牛丼ちょっとあげるから・・・

 

「そういう問題じゃないんだけど・・・・。」

 

「あ、そうそう。貴方、今日放課後どうせ暇でしょ?」

 

「暇で悪かったな。」

 

「うふふふ。じゃあ放課後ちょっと私に付き合ってよ。」

 

「何で?」

 

「来たら分かるわ・・・・うふふふ。」

 

そういうと、包帯女は俺のプリンを横取りして去っていった。

 

「あぁっ!!お、俺が楽しみにしていたプリンッ!?」

 

「おほほほほほほ・・・・レディファーストよ。」

 

死ね!馬鹿野郎ッ!!

ちくしょう・・・・・・。(涙)

・・・・ん?

そういえば隣に座っていた男子生徒はどうしたんだろう。と、

目線を下に移すと・・・失神して倒れていた。

・・・哀れな。
 

See you on the other side