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特級ッ!難解電哲 【ラピードα】

FM008 藍原瑞穂

 


昼食を食べた後、沙織ちゃんは友達と待ち合わせをしていたらしいので

俺は彼女と別れてふらふらと校舎を散策していた。

しばらくして、ふと図書室の前に来たので

そこで本でも読むことにした。

ガラガラ・・・

校内の喧騒とは打って変り、落ち着いた独特の雰囲気。

・・・・ふぅ・・・やはりここの方が性に合ってる。

図書委員と思わしき女の子も俺が入ってきた事を

あまり気にもとめずに黙々と本を読んでる。

・・・随分熱心に読んでるんだな・・・?

少し興味を引かれたので、その子が読んでいる本に

さりげなく視線を移すと・・・・

 

『愛の螺旋回廊 〜友達でもいいんだ〜 浩之×雅史』

 

・・・・・・・・・。(汗)

まぁ、見なかった事にしよう・・・。

と、とにかくどの程度本があるのか見てみようかな・・・。

そういや戸塚の図書室はさすが有名進学校だけあって

図書館並みの広さと本の量だったので、随分利用させてもらったしなぁ。

・・・・・・・。

俺はとりあえず、ぐるりと一通り眺めた後

ある本を手にとってみた。

ハハ・・・『罪と罰』か・・・月並みだな。

結構古びてるけど、いつ頃のやつかな?

ペラリと開けてみると・・・・。

 

 

(月島死ねッ!!)

 

!?

 

本の見開き一杯に、マジックインキかなんかで豪快な一筆書き。

な・・・なななっ!!なんだこりゃっ!?

悪戯にしても・・・なんか文字に憎悪がこもってるし・・・

しかも、御丁寧にその1ページだけではなく全ページにわたって書き込まれてある。

・・・・呪いか?(汗)

無言のまま本を閉じて、そのまま棚に戻す・・・。

何故か周囲が気になってちらちら辺りを見回すが、

もともと図書室には4、5人しか居ない。

・・・・はぁ・・・・。

なんかとんでもないものを見てしまったな・・・。

って・・・まてよ・・!?

確かに(月島死ねッ!!)って書いてあったよな・・・。

『月島』って・・・月島さんだよな・・・。

あの子って、悪そうには見えないんだけどな・・・。

なんの恨みを買ってるんだろう?

・・・・・・ふぅ・・・・なんかさっきの殴り書きの文字で著しくモチベーションを

下げられたので、図書室を出る事にした。(苦笑)

 

「はぁ・・・嫌なもん見たなぁ・・・。」

 

ガラッ

 

ドンッ!

 

「きゃっ!」

 

「うわっ!」

 

バタバタ

うわのそらで扉を開けて出て行こうとしたところで

どうやら・・・女の子にぶつかってしまったらしい。

女の子が持っていた3、4冊の本が足元に散らばった。

 

「ご、ごめんっ!完全に余所見してたよ!・・・って、あ!?

 

「・・・い、いえ。私も悪いんで・・・

 

ぱちくり

 

厚めの眼鏡の奥からクリクリとした瞳がこちらを覗いている。

なんとぶつかった相手は、包帯女の仲間のメガネッ子(藍原さん)だった。

・・・・あちゃ〜・・・藍原さんだったのか・・・!

藍原さんは俺が誰だか咄嗟に分からなかったようだが

分かるや否や態度が豹変・・・。

 

「や・・・やあ・・・藍原さん。」

 

「・・・・・・・・・。」 ぶっすー

 

不機嫌極まる顔をして落ちた本を拾おうとする。

 

「あ・・・て、手伝うよ・・・。」

 

「結構ですっ!!」

 

「そ・・・そんなに大声で言わなくても・・・。」

 

「気を付けて下さいっ。大事な本なんですから!」

 

「あ、あのさ。気を悪くしたんなら謝るよ。」

 

「別に怒ってませんから!」

 

「いや・・・あの・・・どう見ても怒って・・・

 

「怒ってませんっ!!」

 

彼女はいそいそと本を拾い終わると足早にその場を立ち去ろうとしたが、

 

ガッ

 

「あっ!!」

 

ビッタ〜ン・・・・

・・・・・勝手につまづいて勝手に自爆。

 

ぷるぷるぷるぷるぷる

だ・・・駄目だっ!

わ・・・・笑うなっ!笑うな、俺よっ!!

必死に笑いを堪えながら、彼女に視線を移すと・・・

見事に万歳ポーズで倒れている。

しかも、スカートが上にまくれてしまった為、パンツが丸見え。

・・・・・な!?

パンツには・・・・・『LOVE』という文字がプリントされていた。

 

「ぷっーーーっ!!」

 

(駄目だ・・・限界だっ!!)

 

「ハ・・・ハハハハハハッ!!」

 

俺は堪えきれず、大爆笑。

久しぶりじゃないかな?こんなに大声で笑うのって・・・?

彼女は真っ赤になり、ぷるぷると震えだした。

あ・・・まずい・・・。

 

「あ・・・あの・・・ご・・・ごめん・・・そ、そんなつもり・・・プーッ!!

 

「な・・・何が可笑しいんですかぁー!!」

 

ガバァッと起き上がり、俺の胸をポカポカと殴ってきた。

 

「イテッ!イテテッ!!お、怒らないでくれ・・・ってっ!?

 

「バカーッ!!」

 

あ・・・半泣き。

って!そんな事ではなくてっ!!

この子って藍原さんだよなっ!?嘘ッ!? (汗)

倒れた衝撃で眼鏡を落としたのだろうか?

眼鏡をはずした藍原さんは・・・・とても可愛かった。

 

「あ、あのっ!ちょっと藍原さん!」

 

「何よっ!何様のつもりよ〜!」 ポカポカ

 

「眼鏡・・・眼鏡落としてるよ!」

 

「うぅ〜!・・・・・え?

 

ぱちくり

 

突如、藍原さんの動きが止まり目をぱちぱちさせる。

 

「わ・・・わわわ・・!め、眼鏡ぇ〜私の眼鏡は何処ぉ〜!?」

 

おろおろ

 

あたふた

 

先程の威勢とは打って変って弱々しい声で懸命に眼鏡を探しだす藍原さん。

って言うか、眼鏡・・・君の直ぐ後ろだけど・・・。

 

「・・・・・あ、あのさ。」

 

「み、見えないよ〜!」

 

「すぐ後ろにあるよ?」

 

「あれぇ!どこだろぉ?」

 

「・・・・やれやれ。」

 

俺はひょいと眼鏡を拾うと、慌てている藍原さんの顔にゆっくりとかけてあげた。

 

「・・・・あっ!」

 

「はい。これで見えただろ?」

 

「〜〜〜〜。」 かぁぁぁ

 

「で、これが落とした本。」

 

「う〜〜〜。」

 

恥ずかしいのか悔しいのか分からないが、彼女は顔を紅潮させて俯いてしまった。

 

「あ、あのさ・・・俺って藍原さんと話した事ないよね?」

 

「・・・・・・。」

 

「どうして俺に敵意を見せるんだい?」

 

「・・・・い。」

 

「え?」

 

「貴方なんか・・・大ッキライッ!!」

 

「あ・・・・そうですか・・・・。」

 

彼女は俺の手から本を奪い取ると、脱兎の如く走り去ってしまった。

何でかな?知らない間に嫌われちゃってるよ。

・・・・・いやぁ・・・しかし・・・本当に可愛かったなぁ・・・。(汗)

沙織ちゃんの言ってた通り、ファンクラブが出来てもおかしくないや。

・・・・・あれ?

そういえば、藍原さん。その本返却しに来たんじゃ・・・?


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