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特級ッ!難解電哲 【ラピードα】

FM031 彼女が包帯を巻いた訳 −その5−

 

 

「お、太田さんッ!!」

 

俺は横たわる太田さんに駆け寄る!

 

!!

 

『シャァァッ!!』

たちまち月島兄の傍に控えている数人の仮面集団が

俺に襲い掛かる・・・・が、

 

「ゆ、裕くん!危ないッ!」

 

バシーンッ!バシーンッ!!

ドコッ!

バコッ!

 

『しぎゃぁー!!』

 

沙織ちゃんのナイスアシストで

なんとか太田さんの傍へやって来れた。

ずざさ!

 

「太田さんッ!」

 

「・・・・う・・・。〜〜〜つ〜!」

 

「ククク・・・やはり・・・何だかんだ言っても女だな。香奈子。」

 

太田さんは頭を押さえながらゆっくりと立ち上がる。

 

「た・・・拓也・・・・あなた・・・!!」

 

ダンッ!

次の瞬間、太田さんは素早く身をひるがえすと

再び月島兄に襲い掛かった!

・・・・俺はその一部始終を見ていたが・・・・。

太田さんの鉄拳が月島兄の顔面を捕らえようとした瞬間。

・・・・月島兄の表情が一片し、苦悶の表情を浮かべた。

 

「・・・・・・・・あ・・・う・・・。」

 

「ッ!!」

 

太田さんの拳がすんでの所で止まる・・・・。

ひゅんひゅん!

バシーンッ!

 

「きゃぁ!」

 

どしゃぁ。

 

!?

 

その直後、突然卒塔婆が太田さんに向かって

物凄い速度で襲いかかったのだ!

ひゅんひゅん・・・・。

 

「・・・・な、なに?」

 

俺は目の前で起こっている光景に息をのんだ・・・。

大きな卒塔婆が数本、月島兄の周囲をクルクルと旋回しながら

滞空しているのだ・・・・!

 

「クークククク!どうしたぁ?お?

 俺を殴りたいんじゃなかったのかぁ〜?クーククク!」

 

「〜〜〜〜!!」

 

ダンダンッ!

太田さんは拳を地面に叩きつけて悔しがる。

 

「な、何だ・・・これも・・・毒電波の力なのか!?」

 

呆気にとられる俺を見下ろしながら月島兄がニヤリと笑い

恐ろしい一言を吐いた。

 

「ククク・・・・俺は・・・パワーアップしているんだよ!」

 

「はぁッ!?」

 

「念導力ってヤツか?毒電波を極めると・・・こういう事も出来るんだよ。ククク・・・。」

 

ぢりぢりぢりぢり!

ガーンッ!

ドゴーンッ!

周囲で物々しい音が聞こえる・・・・。

突然近くにあった鉄製のバケツが跳ね上がり、墓石も心なしか共鳴している。

・・・こ、これが、太田さんが懸念していた奥の手・・・・!?

 

「・・・だめ・・・殴れない!」

 

太田さんの口から弱々しい言葉が漏れる。

俺は月島兄を睨みつけ

 

「い、一体何をした!」

 

と怒鳴った。

すると月島兄はニタァといやらしい笑みを浮かべて

 

「ククク・・・・いや何、ちょこっとだけオリジナル

 御登場願っただけだよ・・・。」

 

「・・・・何?」

 

すると月島兄の表情がまた先ほど苦悶に満ちた顔に変貌する。

!?

・・・ち、違う!だ、誰だコイツは!?

 

「・・・・か・・・なこ・・・・にげ・・・ろ!」

 

ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ

誰だ・・・・?この人は!?

・・・・・・ま、まさか!!

再び表情が変化し、キティ月島に戻る。

 

「クククク・・・・もう察しがついただろう?」

 

「オリジナ・・・ル・・・?月島拓也・・・・!!」

 

「クァーーーハハハ!!流石のプロトタイプも

 愛する男性は殴れないみたいだな。ハーーハハハ!!」

 

「こ・・・こいつ・・・!」

 

『・・・に・・・げろ・・・!』

 

!?

 

『ながせ・・・くん・・・にげろ・・・・!!』

 

俺の頭の中で声が響いた。

・・・なんだ?これは・・・!?

 

『ぼくが・・・・なんとか・・・やつを・・・・だから・・・・!』

 

・・・・・・!

 

「さぁ、長瀬裕介。今一度聞こう。俺に忠誠を誓え。」

 

「断る!」

 

「今までのお前を見て確信した。

 我が野望の為に・・・・お前の力が必要なんだよ。」

 

「まだそんな戯言を言ってるのか!あんたは!!」

 

「・・・クク。そう言って虚勢をはれるのも・・・今のうちだぞ?」

 

「お兄ちゃん!!」

 

瑠璃子さんが叫ぶ。

キティ月島はトリッキーな角度で首を曲げると・・・・

 

「ククク・・・もうすぐだよ・・・瑠璃子・・・。

 もうすぐで・・・願いが叶う。

 お前からも・・・・長瀬裕介に言ってやってくれよ・・・・。」

 

「もうやめて!お兄ちゃん!!」

 

「いいか、長瀬裕介。今までのは茶番だと思え。

 プロジェクトは・・・依然順調に進行している。

 俺の力の成長速度は素晴らしい・・・・もう誰も・・・俺を止める事は出来ん!」

 

「・・・何ぃ?」

 

「ククク・・・・・濡れた人形・・・

 置いていかれた・・・・

 あの子の・・・・心も・・・置いていかれた・・・・」

 

「ッ!!そ、その歌・・・・!!」

 

ドクンッ!

 

『・・・今だ・・・・にげ・・・ろ・・・!』

 

!!

 

「た、退却ッ!!」 ガバァッ!

 

「きゃ、ちょ、ちょっと!」

 

俺は火事場の馬鹿力で太田さんを担ぎ上げると

猛然と瑠璃子さんに向かってダッシュ!

 

「あぁ!?てめぇ!逃がすかよ!!」

 

ぢりぢりぢりぢりぢり!

グゥッ!毒電波が・・・頭を締め付ける!!

ヒュンッ!

ヒュヒュン!!

周囲の卒塔婆が俺に向かって槍のように降り注ぐ!

 

「う、うわぁ!!」

 

『やめ・・・ろ!!』

 

ドクンッ!

ドサッ・・・ドサッ

卒塔婆がその場から地面に落下した・・・。

 

「がぁぁあ!!き、貴様ぁぁ〜〜!!」

 

『・・・・・・。』

 

「邪魔するなぁ!ションベンたれがぁぁ!!」

 

はぁ・・・はぁ・・・!

 

「逃がすなぁ!追えぇぇ!!」

 

『イーーーーハァァーーー!!』

 

襲いくる仮面集団を必死に避けつつ、俺は走る!

 

「裕くん!頑張って!!」

 

「長瀬ちゃん!」

 

バシーンッ!

バシーンッ!!

ドコッ!

バキッ!!

沙織ちゃんも必死にスパイクを連打。

そのおかげでどうにか2人のもとに辿り着いた!

スザァア!

 

「瑠璃子さん!」

 

「うん!みんなつかまって!!」

 

瑠璃子さんが瞳を閉じると同時に周囲の景色がぼやけた・・・。

グォン・・・・・。

シュウウウウウウンン!

・・・・・・・・・・・・・・・・。

俺達がいた場所は既に土煙だけが立ち込めていた・・・。

 

「・・・・くそがぁぁぁ!!!」

 

『ヒィ〜!』

 

『おぉぅ!』

 

「・・・・・ク、クククク・・・ハハハハハ!!

 いいだろう。面白い。すこぶる面白いぞ!長瀬裕介ぇぇ!!

 

「うぅ・・・先生のえちぃシーン・・・・。」

 

「あぁ・・・岩切しゃん萌え・・・。」

 

「サカガミーッ!ミツオカァーッ!!」

 

「は、はいぃッ!!」 ビシィィ!

 

「も、申し訳御座いませんーーーーッ!!」 ガバァッ!

 

「貴様らは例の場所に戻り、進行状況を確認してこい。

 ・・・・それと、あのバレーボールを持った女を洗いざらい調べてこい。」

 

「は、はァ!」

 

「了解・・・しました!!」

 

「ククク・・・・月島拓也・・・今あいつらを逃がした事。

 ・・・・後悔するぞ?クククク・・・。」

 

・・・・・・・・・・・・・。

シュウウウウン・・・・。

グォン。

 

「・・・・・・・・あ。」

 

こ、ここは・・・?

次の瞬間、気が付くと・・・南海高校の裏庭だった・・・・。

 

「こ、これが・・・瞬間移動!?」

 

「うん。私も初めの時はびっくりしちゃった♪」

 

無邪気に沙織ちゃんが語る。

ガクッ!

!?

 

「瑠璃子さん!」

 

「・・・・〜〜〜!」

 

突然瑠璃子さんが膝をついて苦しそうに息をしていた。

 

「ど、どうしたんだ!」

 

「・・・・〜〜〜だ、大丈夫・・・。」

 

「瑠璃子・・・・。」

 

太田さんがスッと割って入って、瑠璃子さんの背中をさする。

 

「いくら何でも・・・転送し過ぎよ。

 病み上がりなんだから・・・無茶しないで・・・。」

 

「ご、御免・・・香奈子ちゃん・・・・。でも・・・・

 

太田さんは全てを言い終わっていない瑠璃子さんの髪の毛を

そっと手で研いであげると、毅然とした表情で

 

「ごめんなさい。・・・・今回は、私のミスよ。」

 

「お、太田さん・・・。」

 

「甘かったわ。・・・拓也の力は・・・どんどん増大していってる。

 次に襲われたら・・・・果たして・・・・・

 

「それは、分からないぜ?」

 

「・・・!?貴方何を・・・?」

 

「だってさ、俺も・・・電波使いなんだろ?」

 

そう俺が言うと、瑠璃子さんはハッとした顔をして

一瞬表情を曇らせた。

 

「えっ!?ゆ、裕くんも電波使えるのッ!?」

 

「う。い、いや使える・・・らしいんだけどね・・・。」

 

「そ、そうなの!?」

 

「だから・・・訓練してみようかと思うんだ。」

 

・・・・バシーンッ!

 

「ぐぇ!?」

 

「良く言ったわ!流石私が見込んだ男ね!」

 

バシンバシン

太田さんが嬉しそうに俺の背中をバンバン叩いてくる。

 

「ぐぉ!?ちょ、ちょっと痛・・・げぼあっ!?

 

・・・・口から・・・・たましひが・・・・出そうになった。




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