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鬼兵般家長



DIE16話 百鬼夜行 〜ゲゲゲッ!の、ちーちゃん〜その4

 

 

「け・・・け・・・結婚だってぇ!?」

 

よほど、俺が物凄い顔をしているのだろう。

足立さんは、すかさずフォローに入る。

 

「いや、まぁ・・・ゴホン。耕一くん、別に今日明日って話ではないのだが・・・・。」

 

「ちょ、ちょっと待って下さいよ!いくらなんでも話が飛躍しすぎですよ!」

 

「き、君もよく知っていると思うが、ここ鶴来屋は代々柏木家の当主が取り仕切ってきた。

 我々役員一同、柏木分家としてこの伝統は守っていかなければいかんのだ。

 私としてはあまり流儀に囚われるのは好まんが、他の分家の人間は黙ってはいないだろう。」

 

「そ、そんな馬鹿な話って・・・。」

 

「幸い君は成人しているし、本家長女のちーちゃんと結婚して、ここ継いでくれれば

 全く以っていう事がないんだよ。」

 

「ち、千鶴さんは家族みたいなもので・・・・その・・・。」

 

「耕一さん・・・・幸せな家庭を築きましょうね♪」 ぽっ

 

「って聞けや!」

 

「・・・耕一くん。考えてくれ。」

 

「そ、そ、それなら僕が仮に鶴来屋を継ぐとしましょう!

 ・・・・・べ、別に千鶴さんと結婚する必要はあるんですか!?」

 

「あっ?耕一さん・・・それってどういう意味だ?虎羅?」

 

ぐいっ

 

千鶴さんが殺ル気満々で俺のネクタイを締め上げる・・・・。

 

「ひっ!?ち、違います!例えの話ですぅぅ!!」

 

「ま・・・まさか・・・・耕一さん・・・・他に好きな人がいるんじゃ・・・・!」

 

ゴゴゴゴゴゴゴゴゴ

 

すでに筋肉少女隊の千鶴さん。

 

「違いますぅ!違いますぅ!決してそんな事は御座いませぬぅ〜!」

 

すると、いきなり千鶴さんはブリッ子モードに移行し、

 

「耕一さぁん、私は魅力が無い女ですかぁ・・・・?」

 

うりんうりんっとブリッ子声で迫ってくる。

ヤメレ、幾つだあんたは?

・・・・・・・・・。

魅力ですか・・・・鬼未力なまらありますよ・・・。

っつーか、死の女神ですよ、あなたは・・・。

いや、そりゃぁ千鶴さんは美人ですよ・・・・一緒に街中なんか歩いたら嫉妬の眼差しで見られるし

スタイル抜群だし・・・・・・・チチないけど・・・・・・。


けど・・・即死属性の食事しか作れないし・・・・家事は出来ないし・・・・。

幸せな家庭?・・・・どう考えても死合わせな過程しか思い浮かばん・・・・・・。

うがぁ〜!結婚のビジョンなんて想像出来ねぇぇ〜〜!!!

 

「あ、あははは。魅力は、沢山ありすぎて困ってしまうっす・・・。」

 

「でしょう♪」

 

・・・・・・「でしょう♪」じゃねー!!(号泣)

 

「耕一くん、是非考えてくれないかね?分家としては在学中に結婚してもかまわんよ?」

 

「耕一さん♪・・・・・・結婚するよな?あ?

 

「う・う・うわぁぁぁぁーーーー!!!」

 

ズダダダダダダッ!

 

バタンッ

 

限界だ・・・・。

俺は・・・・・・・・逃げた。

 

「え・・・・なっ!?こ、耕一くん!?」

 

「耕一さんっ!逃げる鬼ぃっ!?」

 

逃げなきゃ俺の人生劇場劇終してしまうだろが!

そうか・・・・あの夢って・・・・予知夢だったのね・・・・・。

 

 

走った。俺は走った。

スーツを着たまま、泣き叫びながら全速力で走っている俺は

周りから見たらさぞ危ない人間に見えているだろう・・・・。

・・・・・・・・どこまで走っただろうか・・・・気が付けば半島の高原まで来てしまっていた。

 

「はぁ、はぁ、はぁ、グス・・・・・。」

 

ガクンッ

あまりの疲労でその場に倒れてしまった。

 

「そりゃねーよ・・・くそぉ・・・・俺の気持ちはどうなるんだよっ!」

 

どいつもこいつも勝手な事ばかり言って嫌になる。

このまま塵になって飛んでいきてぇ・・・。

はぁ・・・・・・・なんか腹がへったなぁ・・・・・・。

・・・・って、なんかこの地面、おかしくないか・・・・・!?

俺は身を起こして地面を見ると、そこには変な記号みたいなのがチョークで描かれていた。

これ・・・なに?

・・・・・・ぼそぼそ。

落ち着いてくるにつれ、どこからともなく人の声が聞こえてきた。

 

「やべっ!誰か、周りにいたのかよ!」

 

気恥ずかしくなって、その場に立ち上がり、耳をすましてみると・・・・。

 

「・・・・ベントラ、ベントラ・・・・スペースピープル・・・・・。」

 

・・・・・・・・・・・。

この聞き覚えのある声って・・・・・・。

 

「・・・・・・エルクゥ・・・ヨークゥ・・・エディフェル・・・。」

 

声のする方に向くと、その先に・・・・楓ちゃんが立っていた。

彼女はむこうを向いていて、こっちに気付いていない。

右手から糸をたらして、その糸の先には水晶みたいなものがついている。

頭につけているのが何かは分からないが、電波系グッズである事は確かだ。

・・・・・・・なにしてるの?

他人に見られれば、いつ特殊車両を呼ばれても不思議ではない状況だ。

 

「・・・・楓ちゃん・・・。」

 

「・・・ぼそぼそ・・・・ッ!!こ、耕一さん!」

 

「・・・・・・・・・。」

 

「・・・・・・・耕一さん、どうして・・・ここに・・・・?」

 

「・・・・・・・・・。」

 

「・・・・・・・・耕一さん?・・・・何かあったんですか・・・・?」

 

「・・・・・・・・う・・・・。」

 

「・・・う?・・・・・まんぼ・・・・?」

 

「うぐぅぅぅ〜〜〜〜〜〜!!!」

 

ひしっ

 

「・・・・こ、耕一さん!」

 

このとき、いやこれ以前から俺はおかしくなっていたのだろう。

何を考えていたのか分からんが、俺は楓ちゃんにすがりつき号泣

 

「ううう・・・・・・。」

 

「・・・・・耕一さん・・・・・なでなで・・・・。」 ぽっ

 

ぎゅっ

 

変な女の子にすがりついて泣いている変なスーツの男。

本当に他人に見られなくて、良かった。

俺の人生で1、2を争うほどの恥部に違いない・・・・・。

 

(九龍で会いましょう。)