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鬼兵般家長


                                                           
DIE27話 鬼んじられた遊び

 

「・・・やっぱりアイスクリームを食べるのは寒いね。」

 

「ご、ごめん。やっぱ寒かった?(汗)」

 

アイスクリンを食べながら、郷土史博物館を後にし、

昼食を食べる為、「鵜婆紗」に向かった。

・・・・・う〜ん、さっきから何か違和感を感じるんだよなぁ・・・?

時刻は13時ちょいを回ってところだった。

カランコロ〜ン♪

「鵜婆紗」のドアを開けると、店内から何故かマリスの「au revoir」がかかっていた。

相変わらずここの店主の趣味は変わっている・・・。

端の4人がけの席に座って、メニューを由美子さんに手渡した。

 

「はい、どうぞ。」

 

「ありがと。」

 

「う〜ん、俺は唐揚げ鵜婆紗定食にしようかな?」

 

「あ、あたしは味噌煮込み鵜婆紗定食にするわ。」

 

マスターに注文を頼んでしばらく、二人で雑談していた。

 

「次は隆山遺跡だけど、それ見てからどうしよっか?」

 

「そうだね。あ、隆山海水浴場ってここから近いかな?」

 

「ん?こっからすぐだよ。」

 

「じゃあ、隆山遺跡見た後で、海を見に行こうよ。」

 

「海か、いいね。行こっか。」

 

などと話していると、

ツカツカ

 

「おまちどぅーさまです。」

 

ドンッ

 

二人の間を割るかのように、店員の人が定食を叩きつけた・・・。

な、なんだぁ!?感じ悪いなぁ・・・。

・・・・はて?こんな店員いたっけ?

定食を持ってきたこの店員は最近入った人だろうか?

ロングヘヤーの女性みたいだが、清潔帽を深くかぶってるし、

給食センターの人みたいなマスクをつけていたので

人相が良く分からなかった。

・・・・ただ、帽子の奥から不気味にギラギラと光る目がこちらを凝視していた。

言うなれば、獣みたいな瞳・・・・。

ゾクッ・・・。

 

「ど、どうも・・・。」

 

俺はそっけなく言って、由美子さんに割り箸を手渡しつつ

 

「そ、そういや何の話してたっけ・・・?」

 

「あ、だから海行こうって話♪」

 

「そうだった!そうそう、俺いいトコ知ってるんだ。」

 

・・・・・・・。

さっきの店員が、殺気だってまだ傍に立っていた。

 

「は・・・はい?あ、あの・・・・なにか?」

 

無言のままの店員は微動だにせず、ずっと俺を凝視。

それどころか、耳をすませば・・・

 

「・・・・フー!・・・フー!!」

 

・・・・・ヤバイ。

何か・・・この人・・いけないおくすりを服用していらっしゃるかもしれん・・・。

マスターが気付いたらしく、直ぐにこちらにかけより

この病気の店員をなだめながら奥へと連れて行った。

 

「・・・・・・フー!フー!・・・・あとで殺す!」

 

なんか今、とんでもない捨て台詞はかなかったか?(汗)

・・・・・。

 

『こ、困るよ。何もしない約束でしょう?』

 

『フー!フー!・・・だって・・・・ギリギリ!』

 

カチャ

ピッ

ガー

 

『・・・・・フーッ!3番もう出て行きますっ!!』

ジュ〜♪

 

『ちょ、ちょっと、無線機を揚げないでっ!!』

 

・・・・・・。

 

「ふ〜食った食った。じゃ行こうか?」

 

「うん。そうだね♪」

 

今日の鵜婆紗は相変わらず美味かったけど、店員がヤヴァかったから減点だな。

っつーか、あの人どっかで見たような・・・・。

とりあえず、鵜婆紗を後にした俺達は隆山遺跡へ向かった。

隆山遺跡は鵜婆紗から歩いて30分くらいの温泉地にある。

なんでも、温泉掘削で賑わっていた頃、偶然発見された弥生時代の遺跡らしい。

ないがしろにする訳にもいかず、観光名所として

温泉街のど真ん中に位置付けされたのだ。

・・・・・・・ワイワイガヤガヤ。

温泉街という事もあり、周囲は喧騒としている。

周囲は温泉の蒸気でうっすらと曇っている。

 

「ほら、この柵の先に貝塚があるんだよ。」

 

「へぇ〜、温泉があったから昔も賑わってたのかな?」

 

「ははは、そうだな。で、あそこが住居跡らしいんだ。」

 

「あ、あそこに見えるやつね?」

 

むふふふ。

辺りには少なからずカップルがいるが、男の方が振り返って

由美子さんを見てやがるぜ。

なんか、俺の勝利って感じぃ〜♪

・・・・・・。

ザザ〜ン・・・。

海についた頃にはあっという間に夕方になっていた。

・・・・そういや、今日は千鶴さんが・・・・。(汗)

・・・・・考えない事にしよう・・・・。

隆山海水浴場から少し高台に上がったところに、

海を一望できる場所があるので、そこへ由美子さんを連れて行ってあげた。

 

ザザ〜ン

コワァコワァ・・・←海鳥

ザザ〜〜ン

 

「・・・・きれいな海だね。」

 

「うん、ここの海はきれいで有名なんだよ。」

 

「・・・・・・。」

 

「・・・・・・。」

 

「耕一くん、今日は付き合ってくれてありがとう。」

 

「いや、別にいいよ。楽しかったし。」

 

「・・・・・・。」

 

「・・・・・・。」

 

ぎゅ。

 

・・・・・あ。

由美子さんが俺の手を握ってきた。

どきどきどきどきどき土器どきどきどきどんきどきどきどき

まずい、なんか急にドキドキしてきた。

っていうか、俺もしかして・・・・。

 

ヴォンヴォンヴォンヴヴォヴォン!!

 

!?

 

突然、周囲に騒音が響き渡る。

 

「な、なんだぁ!?」

 

「な、なに?」

 

ヴォンヴォヴォヴォン!ヴォンヴォン!

 

パパパパパパパパパパパパー♪

 

何故か「ゴッドファーザー」のテーマソングが・・・・。

これって・・・ひょっとして・・・?

どこからともなくバイクが何十台も飛び出して来た!

ゾ・・・・ゾッキーですくぁ!?

あっという間に暴走族らしき集団に囲まれた俺と由美子さん。

 

「こ、耕一くん・・・やだ、何ぃ?」 ぎゅっ

 

「由美子さん、俺から離れちゃ駄目だよ。」

 

・・・・ったく!

何なんだよっ!一体・・・・。

一台のバイクが俺の前に止まり、フルフェイスをかぶったライダーが

こちらに向かって話し掛けた。

 

『オ?虎羅?兄チャン見セ付ケテクレンノォ〜?』

 

・・・・・・・・・・・。

ヘリウムガスでも吸ったのか?へんてこりんな声でからんでくる輩。

 

「あ、あの〜、何の御用でしょうか・・・?」(汗)

 

『ア?虎羅。テラッテンデ虎羅。イチャッテンジャネ虎羅。』

 

・・・・意味が分からん・・・。

 

「こ、耕一くん・・・。」

 

由美子さんが不安そうに俺の手をぎゅっとにぎる。

 

「大丈夫だよ。とにかく、ここを離れようか?」

 

『逃ガサネーゾ?虎羅。』

 

と言うと、フルフェイスは釘バットを握ってにじりよってきた。

 

「お、おわっ!ま、まじかよっ!!」

 

「きゃっ!こ、耕一くん。逃げよう!」

 

『ケケケ〜!!』

 

イカレポンチくんは釘バットをふりかぶって来た。

・・・・どうやら本気らしな。

相手が相手なだけに、俺も正当防衛をせざるを得ない。

・・・・・・・ス〜。

鬼の力を少しだけ解放し、右手に力を込める。

ギギギギギ

筋肉が収縮し、はちきれんばかりの力がみなぎる。

フルフェイスはバットを今にも振ってくるみたいだ。

いかに至近距離から全力スイングで来ようとも、

所詮は人間の力・・・簡単にへし折って・・・・・。

 

ゴアッ!!

 

・・・・・はいっ?

 

ドバキャッ!!

 

「とらぶりゅうっ!!!」

 

予想を上回る物凄いスピードのスイングだったので

顔面にモロにくらってきりもみ状態でふっとぶ俺。

 

「きゃあああー!!」

 

由美子さんの悲鳴が聞こえてくる。

そりゃあ・・・まぁ・・・びびるわな。

って言うかよ・・・滅茶苦茶なスピードじゃねーか・・・・。

・・・・人間じゃねぇ?

幸い、鬼の力を解放していた為、大した怪我はしなかったが

勢いよく吹っ飛んだので、10メートル先の草むらに頭からつっこんでしまった。

 

「こ、耕一くん!!」

 

すぐに由美子さんが俺の傍に駆け寄ろうとしたが、

 

ガッ

 

「きゃあ!」

 

フルフェイスが由美子さんの片手を捕まえ

 

『フン、オ前ノ恋人ハダレシネーナ!』

 

と俺を罵っていた。

ムクリ

俺はゆっくり起き上がると、頭をポリポリと掻いて

フルフェイスに向かって、一言・・・。

 

「・・・・・・・・ナ、ナニシテンノ?アズサ・・・?」

 

『・・・・・・・エ?』

 

ひゅ〜〜〜←潮風

 

「・・・・・・・・。」

 

『・・・・・・・・。』

 

「っていうか、梓だろ?お前。」

 

『ア、梓ァ?知ランナァ。俺ハ通リスガリノ処刑ライダーダ。』

 

つかつか

 

今度は俺の方からフルフェイスににじり寄る。

 

『馬鹿ガ!懲リナイ奴メッ!!』

 

ブオンッ!

 

音速に近いスピードでバットを振ってくる。

 

「・・・・・・。」

 

バキャッ!!

 

俺は右手でバットを粉々にブチ砕き、

手首を返し間際にフルフェイスの即頭部を指先でなぞった。

 

『ウオッ!?』

 

「あのな、人間技じゃねーって分かったら、こっちもそれなりの心構えをするって・・・。」

 

ピシッ

ピシシッ

 

『・・・!?』

 

「あ、ついでにメットも破壊したからな。」

 

バラバラ

ゴロン

左半分に割れたメットが地面に落ちた。

素顔は・・・・やっぱり梓。

 

「・・・・・。」

 

「・・・・・。」

 

「・・・・・。」

 

・・・・・・・・って言うかひょっとしてバレてたの?(汗)



(なんでも無い様な事が 幸せだったと思〜うぅ)