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鬼兵般家長



DIE5話 ガサラ鬼 メッセージ#9



コトリ

目の前に置かれた闇のデッキを見て、固まる俺。

 

「たっくさん、召し上がって下さい♪」

 

どうしよう・どうしよう・どうしよう・どうしよう・どうしよう!

ノーミソを5ギガまでオ−バークロックして対策を考える。

って言うか、残りの3姉妹、助けろよ。

 

「いやぁ〜、はははは!千鶴さんが作ってくれるなんて・・・・
      

        うれしい

 ほんと、憂死遺なぁ〜・・・・。いや、なんだこの匂いとか・・・」

 

「耕一さん♪早く食え。

 

万事休すか!?

俺の脳裏では既に反町が異様に低い声で熱唱している・・・・。

 

『言いたい事も言えない、こんな世の中じゃぁ〜〜〜♪』

 

毒ぅ〜♪

 

「・・・・・・・姉さん。」

 

何時の間にか、楓ちゃんが居間と渡り廊下の敷居のところに佇んでいた。

 

「何なの楓?今忙しいの!

 

・・・・・何が?

 

「・・・・・・・足立さんから電話よ。」

 

「足立さんが!?・・・・・・・・どうしたのかしら・・・・?」

 

鶴来屋専務からの電話とあらば、流石に千鶴さんも出ない訳にはいかないだろう。

パタパタと急ぎ足で居間から出ていってしまった。

一時的にとは言え、助かった・・・・。

さてどうしよう・・・・と悩んでいると。

つつつ、と楓ちゃんが寄って来て、俺の前にある熱血飲料を手に取ると、

 

「・・・・・・・灰は灰に、塵は塵に。」

 

と呟いたかと思うと

 

パシャ

 

!?

 

中身を中庭に投げ捨ててしまった・・・・・・・・。

・・・・・・・・・・・・・・。

呆気にとられている俺達を尻目に

楓ちゃんは何事も無かったかの様にこちらに戻ると、

更に事の元凶である大食器を(よいしょ)と持ち上げ、

 

「・・・・・・・・・・誤恥葬さま。」

 

ドボドボ

 

!?

 

これも中庭の陰に不法投棄。

千鶴素宇腐がかかった草木はシュウウウっと嫌な音と蒸気を立てて枯れ果てる。

人が食べたらどうなるんだ?

楓ちゃんはコトコトと空になった大食器をもとある位置に戻すと

何故か俺にしな垂れて

 

「・・・・・・・一日一善。ぽっ

 

・・・・・・・・少しだけ、見直したよ。・・・・・・だけど・・・。

それまで呆然としていた梓と初音ちゃんは

ハッと我に返ると、何かを悟ったのか?顔色を変え、

 

「・・・・・・か、楓・・・・ま、まさか・・・・」

 

「さ・・・・さっきの電話は・・・・・」

 

「楓ぇぇぇーーーー!!!!!」

 

鬼が来たりて笛を吹く。

 

「あ、あなた!電話なんてかかってきてないじゃないの!」

 

ハッ!

 

すぐに空っぽになった俺の食器に気付いたらしい。

俺はどうしたらいいのか戸惑ったが、嫌なアルカイック・スマイルを浮かべ

 

「ご、御馳走様でした。」

 

と言うと、ついっと食器を千鶴さんに差し出した。

梓は夕刊を読み、楓ちゃんは俺に抱きつき、初音ちゃんはテレビを見て、

千鶴さんは立ち尽くし(わなわな)と震えている。

そんなのどかな、箕面スパー●ーデンのCMの様な光景だった。

 

「か・か・か・楓ぇぇぇぇぇぇ〜〜〜〜〜〜・・・・」

 

千鶴さんの小宇宙が急激に高まっていく、最早いつクロスを装着してもおかしくない。

楓ちゃんはスッっと目を細めて立ち上がると

 

「・・・・・夫が食殺されるかも知れないのに・・・・むざむざ見殺しにすると思う?」

 

「な、な、なんですってぇぇ〜〜!!!」

 

チャンチャララ〜♪チャンチャラ〜ラ〜ラ♪

 

何処からともなく神楽の音が・・・・。

初音ちゃんはコソコソと押し入れの襖を開けて中に入ろうとしている。

梓も今回ばかりは手に負えないのか、トイレに向かって渡り廊下を歩いている。

 

で、二人の間に挟まれた俺はどうしよう?


(つづく)