最終兵鬼彼女

中篇 テツ2尉に・・・・・敬礼!

 

「・・・・耕一さん、似合います?」 ぽっ

 

「うん、いいんじゃないかな?」 にこっ

 

きっちゅなアクセサリーショップで

買い物を楽しむ男女2人・・・・・。

・・・・・そして

 

「・・・・許さん。じわじわとなぶり殺しにしてやる・・・・。」

 

「・・・・耕一・・・お前・・・やっぱ楓マンセーかよ・・・。」

 

「・・・・お兄ちゃん・・・・斬る。

 

それを追撃する汎用人型決戦兵器3体・・・・・・・。

楓ちゃんは小さなイヤリングを手にとり、

耳たぶにそれを寄せて手前の鏡を覗き込んでいた。

 

「・・・・・・・・・。」 じ〜

 

「なに、気に入ったの?」

 

「・・・・・・・はい。」

 

「ふ〜ん・・・・・・。」

 

「・・・・・・・・・前世の私のお気に入りに形が似てます。」

 

「・・・・・・あ、あはは・・・そう・・・・。」

 

「・・・・・・・きれい。」

 

余程それが気に入ったのだろうか?

微妙に『欲しいな欲椎名林檎』波を送信してくる楓ちゃん・・・。

『永遠の、約束はいらっないわぁぁぁ〜〜♪』←店内BGM

・・・・・・・・・・・・・・。

 

「な・・・何なら俺がプレゼントするよ。」

 

「・・・・えっ?」

 

「いや・・・その・・・楓ちゃんが気に入ってるんなら・・・・。」

 

「・・・・・・で、でも。」

 

「あっ!別に遠慮しなくてもいいぞ!何てったって

 俺は最近ぶぁいとの給料が入ったばっかだしね♪」

 

・・・・・って、そもそも4死舞は遠慮する質か?(苦笑)

俺はそう言うと、そのイヤリングを手にとり

意気揚揚とレジへ持っていく。

 

「・・・・・あ、こ、耕一さん・・・・!」

 

「すいません、これを下さい。」

 

『はい、有難う御座います♪贈り物でしょうか?』

 

「いえ、そのままで結構です。」

 

『有難う御座います〜、消費税込みで2万4150円です〜♪』

 

「は?」

 

俺は予想以上の値段に目を白黒させながら、慌てて値札を見ると・・・・

【\2,3000(税抜き)】

に、にせんさんぶぃぁくえん・・・じゃあ・・・ないの? ガクガク

 

『有難う御座いました〜♪』

 

「おぉぉぉぉぉぉ・・・・ボキの・・・ボキのファッキュー(薄給)がぁぁぁ!!」

 

突然のバブル経済崩壊の到来に、俺は半泣き。

 

「・・・・・・・・ご、ごめんなさい。」 しゅん

 

ッ!しまった。俺が買ってやるって言ったんじゃないか!

 

「ご、ごめん楓ちゃん!ちょ、ちょっとしたお茶目さ♪ハ、ハハハハ。」

 

「・・・・・・・・・じっ。」

 

「な、何?」

 

「・・・・・やっぱり、今日の耕一さん・・・変です。」

 

「ほぇ?」

 

「・・・・・優しすぎます。」

 

そう言うと楓ちゃんは頬を赤らめて俯いた。

・・・・・・いかん。可愛い・・・・。(汗)

 

「そ、そんな事ないぜ?それを言うなら楓ちゃんだって・・・!」

 

もともと容姿は可愛いかったけど・・・・いつもはもっと電波じゃないか。

 

「・・・・・・・私?」

 

「い、いや。いつもはもっとトリッキーというかニュータイプというか・・・・

 

「・・・・・・・約束。」 ぼそっ

 

あ、そ、そうか!

そう言えば・・・今日は普通の言動を厳守する約束だったな。(汗)

って言うか、いつもそうして頂けると大変有難いのですが・・・・・。

 

「じゃ、行こうか。」

 

「・・・・・・はい。」

 

ぎゅっ♪

あらら・・・今度は腕を絡めて来ました。(苦笑)

・・・・・・・・・。

 

「いやっ!いやーッ!楓にプレゼントしやるぅぅーーーッ!!」

 

「ア、アタシもあんなの買ってもらった事ないのに・・・!!」

 

「も、もう限界だ・・・・!吐き気のする悪とは!

 きゃわいい純情姉妹を弄ぶような男の事だ!!」

 

「御待ち、初音ッ!!・・・ま、まだよ・・・まだ我慢よ・・・!」 ゴゴゴゴゴゴ

 

「千鶴姉ぇ・・・アタシはそろそろ限界だよ・・・!」 ビキッビキィ!

 

「ヨ、ヨークで焼き殺してぇぇ・・・・。」 ズズズズズ

 

・・・・・・・・・。

その後、俺と楓ちゃんは映画を見に行った。

最近巷で話題になってる『星間☆卒業』という映画で、

内容は近未来の日本で星間交換留学生と

地球人との交流を描いたラブコメディだった。

 

「あ〜、面白かったね!」

 

「・・・・・・はい。」

 

以前みた『突き姫』が失敗だったせいか、今回はやけに満足出来たぜ。

意外に時間が経っていたせいか、もう周囲は暗くなっている。

その後、何だかんだと話ながら大通りを歩いていたら、

俺達はシーサイド・ベイパークにやってきていた。

隆山シーサイド・ベイパークは海沿いに続くモール街と

おしゃれな雰囲気のストリートで県内でも

有数のデートスポットで有名なのだ。

・・・・俺は、考えたらこの時間に初めて来たな・・・・。

時間も会い重なって、周囲にはバカップルとナンパ待ちの男女で

異様に賑わっている。

・・・・・う〜ん、まいったなぁ。

俺は気まずくなってポリポリと頭を掻いていると、

急に楓ちゃんが俺の腕を離し、

 

「・・・・・ちょっとここで待ってて下さい。」

 

と一言言うと、どこかへ行ってしまった。

 

「あらら?・・・・しょうがないか・・・・どっこいしょ。」

 

俺はストリートよりすこし外れの石階段の上に腰を降ろした。

・・・・しばらくすると、人ごみから楓ちゃんが戻って来る。

なにやら手に持っているぞ?

 

「・・・・おまたせ。」

 

「何?それ?」

 

「・・・・あは・・・たこ焼き。」

 

そう言うと楓ちゃんは大つぶのたこ焼きが盛られた紙船を差し出した。

 

「・・・・・・・おなかすきません?」

 

「ははは!そうだね。じゃ食べようか。」

 

俺達は石階段の上で寄添ってそれを食べ始めた。

 

「あちっ!ちょっと熱くないかこれ!」

 

「・・・・・・・・うふふ・・・本当ですね。」

 

「あ!楓ちゃん、その大きいの俺のキープだったのに!」

 

「・・・・・・・・あふい!(熱い!)」

 

石階段の下の方では、何故か顔中アザだらけの男3人組が

ラジカセの音楽に合わせてダンスを踊っていた。

ドン♪パパ♪ドン♪パパ♪

 

『イツツ・・・怪我がしみるぜ!』

『ったく、今日は酷ぇ目に会ったぜ!』

『ほら、俺達のイカスダンスでマブイスケGETするぜ!』

 

俺達はそんな不快な音楽をむしろ楽しみながら

たいして美味くないたこ焼きをほおばっていた・・・・。

・・・・・・ぽた。

 

!?

 

・・・・・・雨?

たこ焼きをのせた紙船に雫が落ちる・・・。

違う・・・・それは・・・・楓ちゃんの涙だった・・・・・。

 

「ッ!!ど、どうしたの!?」

 

「・・・・・何でもないです。」

 

「な、何でも無いって、何でも無くて泣くかよ!?」

 

「・・・・・ご、ごめんなさい・・・・だ、だけど・・・・グスッ。」

 

「・・・・・・何だよ・・・一体。」

 

「・・・・・何故か・・・涙が・・・・クスクス・・・グシッ。」

 

「・・・・・・・・。」

 

何だろうな・・・俺、やっぱ今日は変かもな・・・・。

俺も、楓ちゃんも・・・おかしいや・・・・ハハハ。

気がつくと俺は楓ちゃんの頬を伝う涙を指で拭いていた。

 

「・・・・・・グス。」

 

「・・・・・・楓ちゃん。」

 

「・・・・・・耕一さん。」

 

・・・・・・・・・待て。

・・・・・・・・・待つんだ、柏木耕一・・・・。(汗)

お前は・・・・何をしようとしている・・・・。

 

俺は、楓ちゃんの髪を優しくなぜると、そっと手を彼女の頬にそえる・・・・。

 

・・・・・・・・・おい!

・・・・・ちょ、ちょっとタンマ!

・・・・・待てッ!お前は錯乱しているんだ!!

・・・・・あ、あかんって!シャレにならへんって!!

 

「・・・・・・。」

 

「・・・・・・。」

ちょ!あんた!!虎羅!楓ちゃんも何故目を閉じる!?(滝汗)

・・・・俺よ!俺よ!!

止まるんだっ!!

 

ドン♪パパ♪ドン♪・・・・グシャ。

ザーーーーーーーーーー。

 

!?

 

・・・・・何だ・・・?音楽が急に・・・・。

 

「・・・・ハッ!?」

 

「・・・・どうしたんですか?耕一さん?」 もじもじ

 

「ちょ、さっき下の方にいた3人組は何処へ行ったんだ!?」

 

「・・・・・そういえば・・・。」

 

カツーン

カツーン

 

!?

 

石階段の下の方に、女性が一人・・・こちらへ向かって歩いて来る。

カツーン

カツーン

電灯の光であらわになったそのお姿は・・・・・・

・・・・・・・まぎれもなく、柏木千鶴大先生だった。

カツーン

カツーン

 

「・・・これは・・・試練だ。」

 

カツーン

カツーン

         前世
「・・・・過去に打ち勝てという試練と、私は受け取った。」

 

ドドドドドドドドドドドドド

 

!?

 

一瞬電灯の影に隠れたと思った次の瞬間、

千鶴さんは般若の如き形相で丁度俺の階段下、直線状で佇んでいる!!

                     ディアボロ
「お、お前は・・・・千鶴ッ!?」

 

「耕一さん・・・・前世で楓と何があったかはどうでもいい・・・・

 問題は・・・・・今お前が何をしようとしたかだッ!!

 

いやぁぁぁぁぁーーーーッ!!おしっこジャ〜♪

 

「そ、その階段に足をかけるんじゃねー!!

 俺は上、お前は下だ!!」

 

「いいやッ!お前が下だ!!耕一さんッ!!

 お前が楓から離れれば、何の問題もないッ!!」

 

ドドドドドドドドド

そして猛然と鬼が階段を駆け上がってくる!

 

「ひぃぃぃ〜〜〜!!これは夢!?それとも!?」

 

次の瞬間、今まで沈黙を守ってきた楓ちゃんが立ち上がった。

 

「・・・・・・・どこまで邪魔すれば・・・・気が済むの?姉さん!」

 

ドドドドドドドドド

 

「楓ぇぇ〜〜!!今度は催眠術を使って耕一さんを落としいれる鬼ぃ?」

 

「・・・・・・・・いっぺん死んで、姉さん。」

 

颯爽と楓ちゃんの背後から約数日ぶりに何かWith任意が現れ

 

『無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄ぁぁぁぁ!!!」

 

ボス(千鶴さん)にスタンドラッシュを叩き込む!!

 

「この便所に吐き捨てられたタンカスどもがぁーッ!!」

 

千鶴さんのキングクリムゾン←?が発動ッ!!

怖い・・・・・怖すぎる・・・・・。

今までの平和なムードが一変し、ノルマンディー上陸作戦へと変貌。

目の前での激しい死舞ラッシュに阻まれて、俺は呆然。

その俺の背後で突如聞き覚えがある声が聞こえる。

 

「・・・・・お兄ちゃぁ〜ん。」

 

恐る恐る振り返ると、初音ちゃんが冷たい目つきで仁王立ち。

更に初音ちゃんの後ろにはビッグボス梓が待機。

守護神カーン様よろしく俺を睨みつけている・・・・。(涙)

現状は既に殺気たっぷり少林サッカー。

 

「あひゃ!?」 (半泣き)

 

「お兄ちゃん・・・堕ちたな・・・・ただのゲス野郎の心に・・・。

 

「耕一・・・・さぁ・・・・人生のペナルティキックだ。

 

いやぁぁぁーーー!助けて若林く〜〜〜ん!!

 

 

・・・・・・ごめんなさいシュウちゃん・・・・。←?

・・・・・・この子達、最終兵器になっちゃった・・・・・。(死ッ)





 

後編に続く

 

 

先程の3人組・・・・。

『・・・・死にたく・・・ない・・・・。』

『・・・バカ。』

『へへへ・・・・わがまま・・・すか?

 ・・・・ああ・・・・恋がしたい・・・・恋がしたいな・・・・・。』

 

・・・・・・合掌。