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ドォォン

ガシャァァン

 

「・・・・・くっ!・・・強い!」

 

「何人たりとも私の絶頂を脅かす事は許さんッ!」

 

「・・・・・負けない!」

 

『鬼ング・クリムゾンッ!!』

 

ドォォォォンッ

 

最終兵鬼彼女

後篇 隆山ル・ヴォワール

 

 

鬼の末裔2人の激しい戦いは熾烈を極めた。

隆山シーサイド・ベイパークで轟音と衝撃波が響き渡る・・・。

千鶴大先生は俺と楓ちゃんのイチャつきっぷり?が

余程癇に障ったのだろうか・・・?

いつもよりも体のキレがスゴイ。(汗)

 

『な、何が起こってるんだ!?』

『空爆かッ!?』

『いや、テロだッ!!』

 

まずいぞ!こんなに派手に暴れまわったら幾らなんでも収拾がつかないぞ!

周囲が騒然としだし、遠くからパーカーのサイレンらしき音も

聞こえてきている・・・・。

ただでさえ通行人が多いこんなところで暴れたおすなんて・・・・!

と、とりあえず・・・・2人を止めなければ

・・・て、俺に出来るのか?(汗)

 

「ゆらり〜〜揺れぇ〜る〜〜〜夏の陽炎ぉ〜〜♪」

 

ッ!?

 

ゴォッ!

 

「おわっ!?」

 

突然襲い掛かる梓の鉄拳を紙一重で避ける!

俺という目標を失った拳はすぐ背後にあった水銀灯に直撃!

 

ゴシャァァ!

 

「な、何すんだよ!梓ッ!」

 

「・・・・浮気者。」

 

「はうあ!?」

 

「・・・・楓が好きなら・・・はっきり言やいいじゃん。」

 

「あ、あの・・・梓さん?」

 

「・・・・さっき楓に、何しようとした?あ?

 

「ッ!!い、いや、あの・・そ、そりは・・・多分『南場のオーラス』で・・・・

 

「はねてんじゃねーぞッ!!」

 

ブンッ!!

邪眼の王の右手が再び襲い掛かる。

 

「はわわ!!」

 

「結局!わたしゃあんたの飯炊きババァかいッ!!」

 

ブシャァァァ!

 

根元から折れ曲がっていた水銀灯が、握りつぶされたコーラの缶みたいに・・・・。

 

「ひぃぃ!大量破壊兵器ッ!?」

 

びゅんッ!

 

!?

 

突然背後から何かが襲い掛かってくる!

 

「うわ!」

 

「ちっ!はずしたか!」

 

スタッ

降り立ったのは・・・何故か両手にフライパン返しを持った初音ちゃん。

 

「は、初音ちゃん・・・・!」

 

「兄ちゃま・・・お命チェ鬼です。

 

「ち、違うんだ初音ちゃん・・・!今日の俺は、なんか変なん・・・・

 

「I hate you, because I love you.....」

 

ダメだ・・・聞いてねぇ・・・。(涙)

 

「ヨークッ!!お兄ちゃんを撃ってッ!!」

 

「ゲッ!?」

 

グォン!

突如、シーサイド・ベイパークの海上上空に頭脳戦艦ヨークが出現・・・・

 

パウッ!

ズガガガガガガ・・・・・!

 

「もう嫌ぁぁ〜!この愛姉妹ども〜〜〜!!」 (号泣)

 

ヨークから放たれるレーザー光線を横っ飛びで避けながら

俺はその場から撤退を図る!

 

「逃がすか!耕一ッ!」

 

「待てやゴルァ!」

 

「イヤァーー!リアル三国無双ぉ〜〜!」

 

恐怖でガクガク震える膝を引き摺って、

微妙にエレクトしながら逃げる情けない俺・・・。

・・・・クッ、千鶴さんは意外にこういった公共の場での揉め事は

極力避けるタイプなのに・・・・!・・・なんとか止めないと!

 

・・・・一方の楓ちゃんサイドは・・・・。

 

「・・・・・・きゃ!」

 

「ふふふ・・・・見たか、姉の実力を。」

 

「・・・・・・ね、姉さん、どういうつもり!」

 

「楓・・・いくら姉妹でも、譲れない一線ってものがあるのよ。」

 

「・・・・・・・・!?」

 

「貴方と耕一さんがくっつくなんて事は・・・・

 太陽が西から昇るのと同じくらいあってはならない事なのよ!」 ギンッ

 

「・・・・・なんて酷い姉・・・。」

 

「いいの!ちーちゃんは耕一さんの為なら・・・になります!

 耕一さんは、ちーちゃんの旦那さんになるんだから〜!」 じだんだ

 

「・・・・・子供のわがままじゃない。姉さん幾つよ?」 (汗)

 

「だ、大体!なんで急にイチャイチャ出来るようになったのよ〜!!

 あなただって耕一さんに引かれてたじゃない!」

 

「・・・・・分からないけど・・・今日の耕一さん・・・優しいもん。」 ポッ

 

「鬼ィィ〜〜!どうせ怪しい通販の惚れ薬でも一服盛ったんでしょ!!」

 

「・・・・・それは以前、失敗したでしょ?」 (汗)

 

「とにかく!今日は何と言われようとデートをぶち壊すわ!!」

 

「・・・・・もうぶち壊れたっつーの!」 (怒)

 

『無駄無駄無駄無駄ぁぁーー!!』

 

「今日は『何かWith任意』は通用しないわよ!!」

 

バシュッ!

 

千鶴さんの鬼の鍵爪が楓ちゃんの幽波紋を引き裂く!

 

「はっ!?か、楓がいないッ!?」

 

一瞬の隙をついて楓ちゃんは人込みの中に姿を消した。

 

「か、楓!逃げる鬼ぃ!?卑怯よ〜!」

 

・・・・・・・・・・・・。

 

『ねぇねぇ、あんた、これ何の映画の収録?』

『結構お金かかってんじゃん!』

「ちょ、ちょっと通して!」

 

さきほどから立ち止まって様子を見ていた通行人やギャラリーのせいで

思った以上に先へ進めない!

パーカーのサイレンがかなり近くまで聞こえてきている。

まずい・・・!まずいぞ!

今回は完全に俺の失態だ・・・・。

他の死舞の事をすっかり考慮に入れてなかった。

そもそも・・・なんでデートなんてしたんだよ〜!?(汗)

あぁ〜!!もう〜〜!!だから4死舞なんて嫌いだッ!!

いつもいつも俺に迷惑ばっかかけさせやがって・・・・!

そのくせにいつも・・・・・。

・・・ポー、パーポー

 

「ちっ!お兄ちゃんってホンっと逃げ足だけは速いんだからぁ〜!!」

 

「・・・・ッ!?初音、なんか聞こえてこない?」

 

・・・ピーポー、パーポー

 

「・・・・これって、ひょっとして・・・?」 (汗)

 

「まずッ!!K察じゃん!!」

 

「えぇッ!?やっぱり・・・原因は私たち?」

 

「ず、ずらかるよ!初音!!」

 

ピーポーパーポー

十数台のパトカーが東隆山市内を疾走する。

パトカーの車内では後部座席に40代くらいの大柄の男が

ぼさぼさの髪の毛の掻きながら大きなあくびをかいていた。

 

「やれやれ、頼むよ。こっちはいい気分で寝てたのに・・・。」

 

『すいません、長瀬警部。仮眠中のところを・・・・。』

 

「で、俺が駆り出された理由は・・・?」

 

『はい、先程通報がありまして、シーサイド・ベイパーク方面で

 何やら抗争が発生したらしいのです・・・。』

 

「シーサイド・ベイパーク・・・・?

 地元の組織が抗争を起こすにしては場違いなところだな?」

 

「ええ。ただ・・・通報によると・・・。」

 

「?」

 

若い女性数人が破壊活動を行っているみたいなんです・・・。」 (汗)

 

「・・・・・・・え?」 (汗)

 

ガー

『本部より入電、只今シーサイド・ベイパーク付近にて

 暴徒により騒乱が発生している模様、至急近辺を巡回中の

 警邏隊は応援に駆けつけるように、どうぞ。』

ガー

 

「警部、何か心当たりがありますか?」

 

「・・・・・・・まさか、またあの姉妹か・・・・。」 (ぼそっ)

 

「はい?」

 

「い、いや独り言だ。と、取り合えず現場に急行してくれたまえ!」

 

「は!・・・・ところで警部。」

 

「ん?」

 

「警部の御親類の方は見つかりましたか・・・?」

 

「・・・・いや、色々警察庁のツテにも協力してもらってるんだが・・・・。」

 

「そうですか・・・・。」

 

「バブルの夢に踊らされたアイツは自業自得だが、甥っ子の裕介君が可哀想だ。」

 

「何事もなければいいんですが・・・・。」

 

ピーポーパーポー

 

・・・・・・・・・・・・。

ザザザザ

人込みの中を疾走する楓ちゃん。

 

「・・・・・・もう少し、時間を稼がないと・・・!」

 

「逃がさないわよ!楓!」

 

『ね〜、彼女ぉ〜急いで何処行くの?』

『俺達と楽しいとこ行かない?』

 

「黙ってなさい!」

 

ドギャ!

 

『いいひとッ!?』

『しん様ぁ〜〜!?』

 

ザザザザ

 

「・・・・あと、10分!耕一さん・・・何処ですか!?」

 

ハァハァ!

俺は人込みの中を駆ける。

ドンッ

 

『痛てぇな!コラッ!』

 

「すみません!」

 

ズドドドド

 

『ったく、なんだあの野郎は!・・・ん?』

 

「どけッ!バカッ!」

 

「邪魔だゴルァッ!!」

 

ゴシャァ〜!

 

『大神隊長ぉぉ〜〜!?』

 

くそ!背後の梓と初音ちゃんがすぐ後ろまで追いついて来ている!

 

「こ、耕一!待たんか〜!」

 

「梓姉ぇ〜!K札が来てるんだよ〜!早く逃げないと!!」

 

「で、でも初音〜!今耕一達を逃がしたら・・・・!」

 

「ま、まさか一夜の過ちッ!?」

 

す、するかバカッ!!(゚д゚;)

 

急に目の前の人込みから見覚えのある女の子が飛び出して来た!

 

「うわっ!?」

 

「・・・きゃっ!」

 

ドスン

普段なら鬼の力で避けられたのだが、お互いに人間の能力を超えた

フットワークで疾走していた為、正面衝突してしまった。

 

「だ、大丈夫か!・・・って言うか無事だったか?楓ちゃん!」

 

「・・・・こ、耕一さん!ここはもう駄目です。」

 

「千鶴さんは!?」

 

「・・・・今は上手く撒きましたけど・・・多分すぐに見つかります。」

 

「そうか・・・と、取り合えずここを離れないと!」

 

ザザザザッ!

なっ!?

店舗の壁づたいを重力に逆らって疾走してくる梓と初音ちゃん・・・・。

チッ・・・チッ・・・チッ

 

「これ以上目立つ事するなよ!」 (汗)

 

「耕一おに・・・あ!楓姉ぇ発見!」

 

「丁度いい!2人まとめて家に護送するよ!」

 

「・・・・10、9、8・・・」

 

「か、楓ちゃん!時計なんて見てないで!逃げるぞ!」

 

ダンッダダンッ!

!?

 

「ほ〜ほほほ!見つけたわよ!」

 

背後からは千鶴さんがナンパ目的でやってきた

サイケなワゴン車群の上を義経八艘跳びヨロシクやって来る!

 

「クッ!万事休すか!?」

 

「・・・・・5、4、」

 

「さぁ!耕一!観念しろ!」

 

「お兄ちゃん・・・とりあえず今は帰ろうね?」 にやり

 

「いやぁ〜ん!リアル小公女ッ!?」

 

「・・・・2、1・・」

 

リンゴーン♪リンゴーン♪

突如俺達の傍にあるアンティークショップの店頭にあった

大きな時計が鳴り響いた。

時計の針は・・・12を指している。

 

「・・・・・・耕一さん。」

 

「な、なに?」

 

「・・・・・・契約終了です。」 にっこり

 

「は?」

 

ドドドドドドドドドドド!

 

「うぉぉぉ!?」

 

楓ちゃんの体から異様なまでの鬼の力が解放され始めた!

 

「ぬっ!?」

 

「楓姉ぇ!?」

 

「・・・・・姉さん達・・・・。」

 

「ッ!?か、楓から離れなさい!梓ッ!!」

 

千鶴さんがワゴンの上から叫ぶ。

 

「・・・・・よくも・・・私のデート・・・。」

 

そう呟くと楓ちゃんの顔が豹変。

とっても怒っていらっしゃいました・・・。

怖い・・・・ボキ、こんな彼女初めて見ました・・・。

 

「あ、あら?楓・・・もしかしてキレちゃった?」 (汗)

 

「そう・・・みたい。」 (汗)

 

流石に梓も初音ちゃんも戸惑っている。

いや、普通誰でもキレるだろ? (汗)

何故か瞳が緋色になった楓ちゃんははっきりとした口調で一言。

 

「・・・・・クズめ、死で償え!」

 

何だかこれはこれでマズイ状況に・・・。

 

「しょ、所詮、アンタは妹、アタシに勝てるわけ・・・

 

ジャラララララッ!!

 

!?

 

楓ちゃんの右手から突然鎖のようなものが飛び出した!

 

          拘束する鎖
『チェーン・ジェイル!!』

 

ガッ!

 

「うわっ!?なんだこの鎖!?」

 

鎖はもの凄い早さで梓の体に捲きついた。

 

「グッ・・・離れない!これ、ダウジングする・・・時に・・・使ってた鎖じゃないか!」

 

「・・・・私が・・・ただのダウジングで満足する訳ないでしょ?」

 

「そ、そんな!?・・・ア・・・タシの『粉砕する右手』でも・・・壊せない!?」

 

「・・・・・当たり前じゃない・・・恨みの念がこもってるんだから・・!」

 

ギュゥゥゥゥ!

 

「きゃあぁぁぁ・・・・!!」

 

鎖が物凄い力で梓を締め上げるのが俺の目でも見て取れる!

 

「あ、あの・・・・楓さん・・・いい加減にしないと・・・」 (汗)

 

「・・・・耕一さんは黙ってて下さい!」 ギンッ

 

「はい・・・スミマセン。」

 

「いい加減にしなさい!楓!」

 

スタッ

俺達の背後にようやく家長が降臨。

・・・・ひ・・。千鶴さんも本気モードだ・・・。

 

「今すぐ梓を離さないと、冗談ではすまないわよ?」

 

「・・・・黙ってそこで見てなさい。次は貴方よ・・・。」

 

「ちーちゃんはそんな鎖程度でやられる女じゃないもん!」

 

千鶴さんは強がりを言ってはいるものの、

明らかに楓ちゃんの能力に動揺を隠しきれていない。

 

「・・・・これは、貴方を倒す為に編み出した私の新しい力。」

 

ジャララララ・・・・

ようやく梓は鎖から解放されたが、既に気を失っているらしくその場に倒れ込んだ。

 

「わわ!梓姉ぇ〜!?」

 

初音ちゃんが梓に駆け寄る。

お、俺は・・・残念ながらその場から一歩も動けない・・・・。

何故なら・・・俺は楓ちゃんと千鶴さんのど真ん中にいるからだ・・・。(号泣)

 

「・・・・・姉さん、覚悟はいい?」

 

「楓・・・・後悔するわよ?」

 

『おぉ!?そろそろクライマックスですくぁ!?』

目の前の酔っ払いが喜んでいる・・・。

周囲のギャラリーも期待感に夢いっぱい。

いいよなぁ・・・・何も知らないってのは・・・。(号泣)

 

あぁ・・・・ボクの願いを叶えてくれた空に宿る主へ・・・・・。

もう一度願いを叶えて・・・・彼女に心を戻して・・・・・・・。

 

               審判の鎖
『ジャッジメント・チェーンッ!!』

 

ジャララララ!

 

「くっ!この鎖がヤバイわッ!!」

 

千鶴さんが紙一重で鎖を避けるが、鎖は空中で方向を変化すると

千鶴さんの背後から襲い掛かった。

ジャラララッ!

鎖が千鶴さんの腰に捲きつき始める。

 

「・・・・・勝った!締め上げなさい!」

 

「甘いわよ・・・・楓・・・!」

 

ギュウウウッ!!

鎖は物凄い勢いで千鶴さんを締め上げるが・・・・。

 

アンドロメダ瞬は・・・・一輝の弟・・・。」

 

「・・・・何を言ってるの?」

 

「弟は・・・・兄には勝てなかったわよ?」

 

「・・・・・!?」

 

グィィィッ!!

千鶴さんは渾身の力を込めて楓ちゃんの鎖を引き寄せた!

 

「・・・・キャッ!」

 

楓ちゃんの敗因は・・・・千鶴さんの両手を縛る事が出来無かった事だ。

鬼の力で鎖を引っ張られた楓ちゃんは一気に

千鶴さんの射程距離内へと手繰り寄せられた・・・・。

 

「・・・・!しまった・・・!」

 

「御姉様に勝てる訳ないでしょ!!愚か者〜!!」

 

ゴォォッ!!

 

千鶴さんの凄まじい鬼の拳が楓ちゃんに向けて放たれたッ!!

姉さんッ!そんな気合の入ったパンチ喰らわすと死んじゃうって〜!!(汗)

俺の身体が勝手に動きだす。

あれぇ〜?あれあれ〜?ボキ・・・・何処へ行くの?

・・・・・あはは・・・周囲がストップモーションで動くね・・・・。

・・・・・・・・。

・・・どうして・・・・?

・・・どうして・・・いつも・・・・俺は・・・・。

・・・自ら損な役回りを引き受けるんだろう・・・・・ね? (鬱ッ)

 

グシャァァ。

 

『鳳翼天翔ぉぉぉーーーッ!!』

 

ひゅううう・・・・。

 

「こ、耕一さんッ!?」

 

「・・・耕一さん!!」

 

「お、お兄ちゃん〜!!」

 

『おぉ!?スゲーッ!!』

『最高のラストだぜ!!女を庇って主人公が死ぬんだ!?』

『感動したッ!!』

 

ギャラリー・・・大いに沸く・・・・。

そして俺は・・・大いに逝く・・・・。

ドサァ・・・・。

30メートルくらい先のアスファルトまで俺はぶっ飛ばれた。

 

「グ・・・・グレイトフル・・・・デッド・・・。」 ガク。

 

ピーポー・パーポー・プィィ〜〜〜ン!

ようやくパーカーが到着したみたいだった。

 

『で、エンディングになってようやく警察が来るってオチね?』

『う〜ん、ベタなラストだけど見てーよなぁ〜?』

『ねぇ〜、姉ちゃん、これ上映っていつやるの?』

 

もう・・・目の前が真っ暗になって・・・・。

『周囲の皆さん、道を空けて下さい。

 こちらは県警です。先程この近辺で数人の暴徒が破壊活動を

 繰り返しているという通報を受けました。

 至急、この場から避難して下さい・・・繰り返し・・

・・・・・・・・・・・・。

・・・・・・・・・・・・・・・。

 

「・・・・リネ・・ット・・・・。」

「・・・・・・・・。」

「また・・・・泣いているのか・・・・?リネット・・・・。」

「・・・・・・・・。」

「すまない・・・・・・・。」

「・・・・・・・・。」

「俺は・・・お前を泣かせてばかりだな・・・・・。」

 

・・・・・・・・・・・・。

・・・・・・・・・・・・・・・。

 

「・・・・ね、姉さんッ!どうして耕一さんを殴るの!!」

 

「し、仕方ないじゃないの〜!ちーちゃんだって必死に止めようと・・・・

 

「おねーちゃん達!そんな事よりお兄ちゃんを・・・!」

 

私がそう言うとお姉ちゃん達は我に帰りました。

 

「そ、そうだわ!!耕一さんを・・・・。」

 

「・・・・生きてるかしら!?」

 

その時、遠くの方で拡声器から流れる声が聞こえました。

 

『(ピーガー!)あー、おほん。悪ガキ4姉妹〜・・・聞こえてるかぁ〜?』

 

!!

 

聞き覚えのある野太い声・・・・。

 

『あ〜、県警の長瀬だけど・・・・。そこら辺にいるんだろ〜?』

 

「あちゃぁ・・・どうしましょう?」

 

「・・・・・・・はぁ・・・。」

 

「しっかりバレちゃってるよ〜!」

 

『聞こえてるなら〜、しばらくその場で待ってなさい〜。』

 

お姉ちゃん達は(梓姉ぇは失神中)は観念したらしく、その場で待っていると

喧騒とした人込みの中から、大柄の男がひょこひょことやって来ました。

口にタバコをくわえながら、私達を見やると頭をガリガリと掻きながら大きな溜息を一つ。

 

「・・・・はぁ・・・・派手にやってくれたなぁ・・・・。」

 

「す、すみません・・・。」

 

ようやく冷静さを取り戻した千鶴姉ちゃんがしおらしく頭をさげる。

 

「幾ら柏木の人間だからと言っても、限度っちゅ〜もんがあるんだから・・・・。

 やれやれ・・・もみ消す方の身にもなってくれよ〜。」

 

「はい・・・どうかしてました・・・・。」

 

「・・・・ごめんさい。」

 

「ごめんなさぁ〜い。」

 

「・・・・ふぅ・・・じゃあ早く帰りなさい。

 後は・・・俺が適当にやっとくから。」

 

「はい・・・。」

 

「・・・有難う御座います。」

 

「さっすが、長瀬のおじちゃん♪」

 

「もう次は面倒見きれんぞ〜!勘弁してくれよ〜?」

 

『長瀬警部ッ!実行犯と思わしき人物はどこにも見当たりませんがッ!』

 

「そうか・・・多分逃げたんだろう?引き続き現場検証に当たってくれ。」

 

『はい!』

 

「・・・じゃそういう事で、俺は事後処理があるから。」

 

「お騒がせしました・・・。」

 

千鶴姉ちゃんは深々と頭を下げると、溜息をついて

 

「・・・帰りましょうか。」

 

「・・・・・うぃ。」

 

「はーい。」

 

『ったく、何なんだ!?この破壊の後はぁ!?』 (汗)

 

『重火器類を使用した痕跡も無いし・・・どうなってんだ!?』

 

『お〜い!ここに男性が3名倒れてるぞ〜!!』

 

『何ッ!?被害者か〜?』

 

『いや・・・何だか喧嘩したっぽいなぁ〜。』

 

『取り合えず、病院に搬送してもらえ〜!』

 

・・・・・・・・・・・・・・・・。

俺は気を失って後の事はよく分からなかったが・・・・

聞いた話によると、タクシーで帰宅したそうだ。

 

―翌朝―

 

「梓、耕一さんは?」 おどおど

 

「まだ寝てるみたい。」

 

「・・・・・もぐもぐ。」 ぶっす〜

 

「あ、私タオル濡らしなおしてくる。」

 

とてとてとて〜♪

 

「あ、ち、ちーちゃんがやります!」

 

「姉貴、あんたは反省してなさい。」

 

「あぅ・・・ぐっすん。」

 

「楓も、いつまでも拗ねてないで、少しは喋ったらどうだい?」

 

「・・・・・もぐもぐ。」 ぶっす〜

 

ガラガラ

 

「・・・お兄ちゃん?」

 

「スゥ・・・スゥ・・・・。」

 

「うわぁ・・・・まだ腫れてるね・・・。」

 

「スゥ・・・スゥ・・・うん・・・。」

 

「今、タオル取り替えてあげるね。」

 

じゃぶじゃぶ

ぎゅゅ〜〜〜〜う!

ぱたぱた

 

「はい、濡れタオルだよ〜。」

 

「スゥ・・・・スゥ・・・・。」

 

「・・・・・・・・。」

 

「スゥ・・・・スゥ・・・・。」

 

「お兄ちゃん・・・・本当に楓姉ちゃんが好きなの?」

 

「スゥ・・・・スゥ・・・・・うぅ!

 

「・・・・・・・・。」 どきどき

 

「スゥ・・・・スゥ・・・・・。」

 

「ちょ、ちょこっとだけなら・・・・いいかな?」 どきどき

 

そぉぉ〜〜

初音ちゃんが俺の顔に自分の顔を近づけた瞬間・・・・

パチッ!

 

「ひゃ!お、お兄ちゃん!?」 あたふた

 

「・・・・・・・。」 虚ろ〜

 

「き、気分はどう!?大丈夫ッ!?」

 

「・・・・・・・。」 パチクリ

 

「お、お兄ちゃん?」

 

「・・・・・・・リ・・・。」

 

「リ?・・・・リゼルマイン?

 

「リネットォォォ〜〜〜〜〜〜!!!!」 がばぁ!

 

「きゃ!!わ、わわッ!お、お兄ちゃん!?」

 

ドタドタドタドタッ!!

スパァーーン!

 

「ど、どうしたの!?初音ッ!!」

 

「何だ何だ!2人とも大声あげて!」

 

「・・・・・耕一さん!?」

 

し・・・・・・ん・・・・・・・・。

 

「リネット・・・・・リネット・・・・・御免な・・・・!」

 

「ちょ、ちょっとお兄ちゃん・・・・!あん♪」

 

 

はっきり断っておこう・・・・・。

俺はこの時の記憶は一切ない。

いや、本当に自分でも分からないんだ!

何故俺が楓ちゃんをあんなにも愛しく感じたのか・・・・

何故俺が初音ちゃんに抱きついていたのか・・・・・・・

分かんねーんだっつーのッ!!

何かが俺にとり憑いてたんだッ!

陰謀ですYO!これHAAAぁぁッ!!

ゴールド・エクスペリエンス・レクイエムですYO!

そ、そうだ!御盆ですYO!

御盆が近かったせいですYO!!

深夜こっそりサイカノ見たからですYO〜〜〜!!

 

ザーッ

(さぁて!今週のリクエストは人気バンド、UBASYAの『嘘と真実』です♪)

『鬼みが見え〜なくて・・・見え〜なくて、何度も呼びかけるよぉぉ〜♪』

ジジジ・・・ザーッ

 

 

 

 

「おどれはぁぁ!!誰でもええんかいぃぃ〜〜〜!!!」

 

「精気のマジシャンか?虎羅?

 生き恥晒してんじゃねーーーッ!!」

 

「・・・・・・・お前は・・・真実に辿り着く事は決してない。」

 

『時間よ・消し飛べぇぇ〜!!』

 

『キャモーーーンッ!!イイィーーーッハァーーーッ!!』

 

『無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄・・・WIRYAぁぁぁーーーッ!!』

 

まぼろしで・・・かまわ・・・ない・・・・・

時間よ・・・・止まれ・・・・・

 

『もっと俺に痛みをぉぉ〜〜ッ!!!』

 

ドォォーン

 

柏木耕一 ⇒再起不能?(リタイア)

 

 

 

―東隆山総合病院―

 

『はい・・・御世話になりましたぁ・・・。』

ウィ〜ン♪

『やれやれ・・・一体何だったんだよ?』

『俺もサパーリ思いだせねーんだよ!』

『兎に角、物凄い力でシバキ上げられたらしーんだけどYO〜。』

 

『くっそ〜!いってー何処の誰様よ!クソがッ!』

『見つけてヤキ食らわしてやっぺよ!チェケラッ!』

『結局マブイスケはGET出来なかったしよ〜!』

 

『アッ!?そういやおめ〜車はぁ!?』

『やべっ!シーサイド・パークに停めたままだべ。』

『おめ〜、駄目じゃねーか。彼女を置いてけぼりにしちゃあよ。』

 

『ゲッヘヘヘ!今頃どっかの誰かにパンナされてっかもよ?』

『馬鹿かオメー!俺の愛車エルグランドの『ちせ』は俺にぞっこんLOVEよ!』

『へぇへぇ、分かったからさっさと帰ろうべ。』

 

― シーサイド・ベイパーク ―

ざざ〜ん・・・・ざざ〜ん・・・・・。

 

『・・・・・・・・・こりゃ・・・ひでぇ。』 (汗)

『ナ、ナニコレ・・・?ナンノジョークヨ?』 ガクガク

『・・・・天井べっこり逝ってんよ・・・。』

 

『ちせぇぇぇぇぇ〜〜〜〜〜!!!!!』

 

エルグランド『ちせ』号 ⇒板金20万コース

 

 

 

最終兵鬼彼女 ―完―