行き当たりばったり東鳩SS5

第5話 浩之ボンバイエ 心から〜君に伝えたいぃ〜

 

生きた心地がしない。

あかりは図書室の棚を端から端までなめるように調べていく。

俺が隠れている棚まであと2棚しかない!

絶対絶命マグナム危機一髪状態。

となりの棚を調べ尽くし、とうとう俺が隠れている棚まで

あと少しという時・・・・。

「ぴんぽーん♪充電完了。

 メンテナンスオールグリーン。

 システムヲ再起動シマス。」

どうやらマルチの昼充電が終了したみたいだ。

 

「・・・・・・ふぁぁ〜、よく寝ました♪

 あれっ?そこにいらっしゃるのはあかりさんですか?」

 

「!?マルチちゃん、、、居たの。」

 

  あかりがマルチに気を取られた。

 

「チャンスだっ!今しかねぇ!!」

 

俺はロケットダッシュであかりの防壁をかいくぐり図書室を出ると

死にもの狂いで逃走。

 

「チッィ!しまった・・・・。」

 

あかりの恨めしそうな声が廊下に響く。

・・・・・・・・もう一刻も家に帰りたい、早退しよう。

カバンを教室に置きっ放しだが、幸い財布はポケットにあるし

この際置いてかえってもいいだろう。

俺は一路下駄箱に向かうとそのまま無断早退でバックレ完了♪

・・・・・・・・・と思っていたが。

運動場を横切っている時、背後から強烈な殺意を感知。

!?

 

「なんだっ!?何か飛んでくるっ!」

 

咄嗟に屈むと、何かが俺の頭上をかすめ

そのまま前にあるクラブハウスの壁に激突・・・・

 

「・・・一体何が飛んできたんだぁ!?」

 

激突当初は砂煙で何も見えなかったが・・・・・

って言うか血煙も立ってるぅ〜・・・。(涙)

視界が良くなるにつれ物体が輪郭を露わにする・・・・と。

 

「うぎゃっ!ま、雅史っ!?」

 

なんと飛んできたのは顔面が筋肉番付状態の雅史クン。

激突の衝撃だろうか?手足がイヤな方向に曲がっていらっしゃった。

ごくりっ

あまりの惨状に息をのむ。


「・・・・・・・チェックメイトだょ。

 

「ひっ!!」

 

何時の間にかあかりがクラブハウスの屋根の上に立っていたのだ。

 

「ヒィィ〜!お助けぇぇ〜〜!!」

 

「逃がさないよ♪URYYYYY−−−−−−−−−ッ!!

 

逃げようとしたが時既に遅し・・・・・・あかりさんに首根っこをつかまえられた。(TOT) 

・・・・・・ひっこぬかぁ〜れてぇ〜

つれさぁ〜って〜 たべぇ〜られてぇ〜♪

そ〜ひろゆきちゃんのぉ みじかいじんせいおわぁ〜りでぇ〜すぅ〜♪

「うふふふ♪浩之ちゃんゲットだぜっ!」

 

「はわわわわぁぁ〜〜〜〜。」

 

ものすごい力で首をつかまえられてるので、もうすこしで鵜飼の鵜になりそうだった。

 

「え〜っと、どうしようかなぁ〜♪」

 

「おおおおおお、御願いしますぅぅ・・・・・た、、、食べないでぇ、、、、。

 

泣きながら俺が懇願すると。

 

「えぇ〜?なにそれぇ〜、食べたりしないよぉ〜♪」

 

「へっ?そ、そなの?」

 

あかりは首を持つ手を離すと、こほんと一息つくと態度を急変させた。

やや頬が赤く、手をしきりにもじもじさせている。

 

「・・・・・・あの、あかりさん?」

 

「・・・・・・・・浩之ちゃん、聞いたんでしょ?わたしの気持ち。」

 

「・・・・・・・・・・・あぁ、効いたよ、、、、、、、、お前の奇喪痴は。

 

「・・・・・・矢島くんの時はとっても、とってもショックだったんだよぉ?」

 

「・・・・・・・・・・・・・。」

 

「浩之ちゃん全然気付いてくれないんだもん・・・・ひどいよ。」

 

「・・・・・・・・・・・・・悪かったな。」

 

「・・・・・・・・・・・・・・・・・教えて・・・・。」

 

「はいっ?」

 

「・・・浩之ちゃんの気持ち教えてよ。・・・・わたし本気なんだよぉ。」

 

「き、気持ちっすか、、、、。それはピロカットのイイ〜チモキ〜♪ではなくて、

 気持ちですか・・・・・。」

 

「もう・・・幼馴染の関係じゃ嫌なの・・・その・・・として見て欲しいの!」

 

「・・・・・・・・・・・・・うぐぅ。」

 

・・・・・長い長い沈黙が続く、時々雅史のうめき声らしきものが聞こえるが

今はそれどころではない。

 

「と、とりあえず、、、ライフラインを使用してよろしいですか?

 出来ればオーディエンス(聴衆)で。」

 

「・・・・・・・・・・・・・・。」

 

「・・・・・・・・・・・・・・。」

 

 

YABAI、、、、怒ってるよ、、、。

俺はボリボリ頭をかくと、ため息をひとつ。

まったく困ったなぁ〜〜〜〜。

授業中だったから全校生徒がこちら見てるんすけど。(汗)

女の子のヒソヒソ話とか、きゃ〜♪って声が聞こえてくる。

教師の怒声も聞こえてくるので、そろそろタイムアップが近い。

 

「・・・・・・・・・・・・・あ、あかり。」

 

「・・・・・・・・・・・・・ハ、ハイッ!」

 

「その、、、、、なんだ。」

 

「どきどきどきどきどきどきどきどき土器どきどきどきどきどんきどき」

 

 

 

 

「悪ィッ♪お前とは付き合えんわ。っちゅーか、無理!」
(・・・・・・だってこいつまぢで怖いもん)

 

ガハハハハッ!

大声で笑っていると、何故か妙に気温が涼しくなっていくような、っていうか寒い。

うおっ!?めっちゃ寒いんすけど?

そこでようやく俺は気が付いた、俺は恐怖の大王を目覚めさせてしまったのだ。

 

ドドドドドドドドドドドドドドドドドドド

 

「あ、、、、あの、、、、あかり?」

 

「、、、、、て、、、、、やる、、、、。」

 

「やっぱさぁ〜、俺達って恋人どうしにはむかないぜ♪」

 

「、、、、を、、、、、して、、わたし、、、、んでやる、、、、。」

 

「おーい、姉さーん?」

 

!?

 

あかりはタタリ神になってしまわれた。

ようやくはっきりと声が聞こえたが・・・・。

 

「浩之ちゃんを殺して、、、、わたしも死んでやる、、、、、!!」

 

「あ、あんですとぉぉーーー!!!」

 

強引にひとり失楽園ですかっ!?

つまり俺の意思や人権は全く尊重されないんですねっ!?

すでにあかりの周りにライフスペース(生物の生きる空間)は存在せず、

足元の雑草もものすごいスピードで枯れていく。

訂正だ・・・・・・・・・タタリ神どころじゃねぇ・・・・シシ神だよ。

 

瘴気みたいなものがまわりでグイングイン渦巻いているのが肉眼でも見てとれる。

まぢでYABAIッ!この世の果てだ!!

ちょっとだけ失禁しながら後ずさる俺。

まさにシンと化してしまったあかりがジリジリと詰め寄ってくる・・・!!

次の瞬間、俺は初めて、彼女の隠された力を垣間見た。

 

神岸あかり 
スタンド名・・・・ THE・既知街21
能力・・・・・・・・・時を止める・空想具現化・殺意の波動
             クマグッズ集め・浩之イジメ
射程距離・・・・・川澄綾子の頑張り次第?

 

 

 

 

 

 

佐藤雅史 スタンド名(ホモ・デラックス)

死亡      

 

⇒To be countined