特級ッ!難解電哲 【ラピードα】
FM026 ・・・・シュウちゃん。ごめんね。
「さぁ、覚悟は出来てるかしら?」
にやりと笑いながらドクデンプァ・シリーズに歩み寄る太田さん。
『ひ、ひぃ〜!?待つでんぷぁ!』
「長瀬ちゃんをいじめようとするなんて許せないッ!」
ぷぅ!っと頬を膨らませて月島さんも怒っている。
『思い出した・・・俺が愛した女だ・・・。』←?
月島さんの体の周囲にはプラズマらしきものが
ぱちぱち♪君←?と音を立てている・・・・。
・・・・FPTで何処かの鯖にうぷでもしかねない勢いだ・・・・。(汗)
「祐君ッ!大丈夫!?」
傍の沙織ちゃんが心配そうに俺の腕の切り傷などに
判創膏を貼ってくれた。
「・・・・うん、大丈夫だけど・・・。」
俺は先程から渦巻いている疑問を解決すべく、
怒りの要塞まっしぐらの2人に話し掛けた・・・。
「あ、あのさぁ・・・・」
「何なの?悪いけど私、今から調教タイムなの。」
「ちょ・・・調教・・・?
いや、そんな事じゃなくて・・・
あの・・・・さっきから見てたら・・・・・
太田さん、携帯持ってるし・・・・この段取りの良さは何ですか?」
俺が問い詰めるなり、太田さんと瑠璃子さんはキョトンとしてから
お互いに顔を見合わせていた・・・・。
「か、香奈子ちゃん・・・・言ってなかったの?」
「・・・・あら・・・お、おほほほ。」
「・・・・・香奈子ちゃん?」
「忘れてたわ♪」
・・・・・は?
「か、香奈子ちゃ〜ん!それじゃ長瀬ちゃんが可哀想だよぉ〜!」
「ごめんなさぁい♪すっかり忘れてたのぉ。」
・・・・・な、何を言ってるんだ?この子達・・・・。
俺が太田さんと月島さんのやり取りを見て呆けていると、
藍原さんが傍へ来て、一言。
「私達は、今回の襲撃をある程度予想してたんです。」
・・・・・・・・ふぇ?
「ふふふ・・・拓也の事だからどうせ貴方が一人になった時に
暗殺でもしようって思ってたんでしょうね♪
ま、私の予想通りのタイミングで現れたけど。おほほ!」
「・・・・・・・・。」
「まさかドクデンプァ・シリーズまで送り込んでくるとは
思わなかったから流石に焦ったわ。うふふ。」
「良かったね♪香奈子ちゃん、あらかじめ考えておいて♪」
「瑠璃子もやるじゃない!携帯電話の電波でSOS発信だなんて♪」
「ちょっと自信がなかったけど、2人が出て行ってから集中して受信してたの♪」
その時、俺の顔色に気付いた藍原さんが2人の会話に割って入った。
「か、香奈子ちゃん・・・!ちょ、ちょっと・・・!」
「・・・・・ふ、ふふ・・・・。」 わなわな
「あら?長瀬君?」
「・・・・・・俺はおとりって訳ですくぁ?」 ひくっひくっ
「ッ!な、長瀬ちゃん!ち、違うよぉ〜!」
「何言ってるのよ、貴方を守る為じゃないの!」
・・・・・・・じゃあ、はよ教えろよ。
「さ、沙織ちゃんは知ってたの・・・!?」
「う、うん。さっき聞いたんだけど・・・・・。」
コソコソ・・・
!?
このドサクサに紛れて残りのドクデンプァが逃げ出そうとしていた。
ドバキャッ!?
『来ると思っていたよ・・・賞金稼ぎ・・・・。』
ドサッ
その内の1人は何者かの突然の攻撃でその場に倒れた・・・・。
その攻撃者は・・・なんと藍原さん。
彼女は鞄を胸に抱えて、ドクデンプァの前に立ちはだかっている・・・・。
「ナイス!瑞穂!」
「瑞穂ちゃん、格好いいよ〜!」
「・・・逃げるなんて卑怯ですよ。貴方達!」
『ヒィィ〜〜!そりゃないデンプァ!』
『充実過ぎる攻撃だがや〜!!』
明らかにあの鞄、鉄かチタンでも入ってるっぽいんですが。(汗)
「さ、ドクデンプァども待たせたわね♪」
ツカツカと太田さんが歩み寄る。
『こ、殺さないでクリィ〜〜!』
『許ッして、もら演〜歌ぁ〜〜?』
流石のドクデンプァ達も自らの絶対的不利を悟ったのか
ガタガタと怯えて命乞ひをしだした・・・・。(苦笑)
「あら、脳内ドーピングしてても恐怖心があるのね?
うふふふ・・・興味深いわぁ・・・。」
・・・・・・怖い。
「貴方達、命が惜しいの?」
『は、はいぃ〜〜!確変中の台を離れるよりも惜しいですぅぅ〜!』
『ボ、ボキには「オネ痛・永遠の夜糞苦」がぁ〜!』
「じゃあ・・・・答えなさい!
拓也が企んでいるプロジェクトDについてッ!!」
・・・・・なんだそれ?(汗)
『ぷっ!?ぷろじぇくとDだって〜!?』
『あわわわ・・・!そ、それだけは御勘弁を〜!!』
「おだまりッ!言うの!?言わないのッ!?」 クワッ!
『はぁぁ〜〜〜!!』 おしっこジャー♪
『ユパさまぁあ〜〜!!』 ぶりぶり〜♪
今にも自分の包帯を使ってミイラにでも変えてやらんという
意気込みの太田さんを見て、流石に可哀想になってきた。(苦笑)
「か、香奈子ちゃ〜ん。ちょっと可哀想だよぉ〜。」
「瑠璃子は甘いわよ!こいつらは拓也にたましひを売り渡した連中なんだから!」
「お、太田さん。これ以上は・・・君の品位が下がると思うが・・・。」
「ッ!・・・クッ、痛いところをつくわね・・・・。」
・・・・アンタ、品位あると思ってたんかい。(;´Д`)
「まぁいいわ。どうせ毒電波を抜いてあげればゲロするでしょ・・・・。」
『ッ!!や、やめろッそれだけはやめてくれッ!!』
『俺達に凡人に戻れというのか!?』
「今、私に八つ裂きにされるのとどっちがいいの?」 ジロッ
『・・・・・あぅぅ。』
『・・・・・ぐっすん。』
「じゃあ瑠璃子、あとよろしく。」
「・・・・うん。」
瑠璃子さんが真剣な面持ちで一歩前へ歩み出る・・・・。
彼女がスッっと目を閉じた瞬間・・・・。
ちりちりちりちりちりちりちり・・・・・・。
・・・・・優しくて・・・心地よい・・・・・・。
・・・・・・これってやはり電波っていうんだろうね。(汗)
『い、いやぁぁぁあああ〜〜〜〜!!』
『き、気持ちいいぃぃぃ〜〜〜〜〜〜!!』
北斗有情拳をくらった様な断末魔あげてのたうちまわるドクデンプァ。
ちりちりちり・・・・・・。
『・・・・・。』
『・・・・・。』
「・・・・・・・・はぁ〜。」
「な、何が起こったんだ?」
その直後、目の前でうずくまっていた2人を含め、
周囲でくたばっていたドクデンプァ達がむくりと
起き上がり始めた・・・。
「そ、そんな!?倒したはずのドクデンプァ・シリーズが!!」
(シンジくんッ!2号機が!アスカがッ!アスカがぁ〜〜!!)←?
!?
それまでキティの目をしていたドクデンプァ達は
・・・・・・とても・・・・・・爽やかな顔をしていた・・・・。
『うぅ・・ん。あ、あれ?俺・・・何してたんだ?』
『今・・何時だ?ッ!?ヤベッ!僕、塾があったんだッ!!』
『あぁ!最終兵器彼女の録画を予約してなかった!』
ワイワイガヤガヤ・・・・。
なんだぁ?な、なんだか急に普通の人間っぽいんですが・・・・。(汗)
『おぉ!帰るべ!』
『俺、まぶらぶを予約しにいかないと!』
『お疲れ、また明日!』
ざわざわ・・・・し〜〜〜ん。
まるで何事もなかったかの様に奴らは去っていった・・・・。
疲れた表情の月島さんは
「・・・・よかった。」
と、一言もらすと、ふらっとその場で倒れそうになった。
「ッ!る、瑠璃子さんッ!」
ガシッ!
俺はとっさに月島さんを抱きとめた・・・・
・・・・って、あれ?俺・・・今・・・。
「・・・長瀬ちゃん・・・・初めて名前で呼んで・・・くれたね♪」 にっこり
肩で息をしながら月島さんが微笑んだ・・・・。
「あ・・・そ、その、つい。ごめん。」
「・・・なんで謝るのぉ?・・・変な長瀬ちゃん・・・クスクス・・・。」
バツが悪くてはにかんでいると、太田さんがやってきて。
「はい、おつかれ・・・。」
パックのいちご牛乳を月・・・瑠璃子さんに手渡した。
「・・・ありがとう♪えねるぎぃ使い果たしちゃったみたい・・・・。」
「太田さん・・・これって一体・・・。」
「瑠璃子が、彼らを侵していた毒電波を中和したのよ。」
「・・・・これが・・・私に出来る・・・精一杯の・・・償い・・・。」 ちゅ〜
「・・・・・そうか。」
「あらあら、困ったわね。彼らのあの様子だと、多分ろくに覚えちゃいないわね。」
太田さんは外れかけていた顔の包帯をいじりながら苦笑した。
「香奈子ちゃん、仕方ないよ。部長の限界もありますから。」
藍原さんは瑠璃子さんの髪をかきあげながら優しく微笑んだ。
「いいじゃない、あの人達、幸せそうな顔をしてたもん♪」
沙織ちゃんもニコニコしながらそう言った。
微妙に瑠璃子さんを抱えている俺の背中を
膝でグイグイ押しているけどね・・・・。
・・・・・・・・・・・。
『ドクデンプァ・シリーズは失敗に終わりましたね・・・・。』
『実戦でのデータも収集出来ましたし、会長みずから長瀬裕介を
抹殺してもよろしいのではないでしょうか?』
「・・・・・・・・。」
『・・・・会長?』
「気が変った。」
『は?』
「あいつはまだ生かしておく。』
クルッ
ツカツカツカ・・・・・。
『か、会長?』
『よろしいのですか!?』
・・・・・・・・・・・。
ククク・・・・長瀬裕介・・・・・・。
そうか・・・やはりそうか・・・・・。
貴様は・・・・俺と同じだよ・・・・・・・。
See you on the other side