鬼兵般家長



DIE14話 百鬼夜行 〜ゲゲゲッ!の、ちーちゃん〜その2

 


リーンゴーン♪リーンゴーン♪

・・・・・・・・。

目の前に幸せそうな千鶴さんが立っている。

・・・・・・・・。

なんでこの人ウェディングドレス着てるの?(滝汗)

 

「・・・・・・・・・耕一さん。」

 

「あの・・・千鶴さん、何のギャグでしょうか?」

 

「・・・・・幸せにして下さいね・・・あ・な・た♪」 ぽっ

 

「う、うわぁぁぁーーーっ!!!!」

 

トスン

 

逃げようとした俺の背中に何かがぶつかった。

 

「はっ!?」

 

すぐさま振りかって見ると、

 

!?

 

そこにはミニモニ星人みたいな格好をした楓ちゃんが立っていた。

だが、その表情は・・・殺気に満ち満ちている・・・。

 

「ひっ!?か、楓ちゃん?」

 

「・・・・・・・・嘘つき・・・。」

 

「えっ?!何?なんの事言ってんだよ!そ、それよりこれは一体・・・。」

 

「・・・・・・・・私と結婚するって約束してたのに!」

 

「な、なんじゃそりゃっ!?」

 

「・・・・・・・・姉さんに渡すくらいなら・・・・殺してやる!

 

「は?はぁぁぁぁ!!!」

 

俺は逃げ出した。

全力疾走で、その場を離れようとした。

すると、さらに・・・・。

 

ドンッ

 

「ッ!?」

 

そこには梓が立っていた。

 

「あ、あ、梓ぁ〜!た、助けてくれぇ〜!!何がどうなってんだか・・・」

 

「女誑し。」

 

「ほ、ほわっ?!」

 

「耕一は、そんな奴じゃないって思ってたんだけど・・・・失望したよ。」

 

「わ、私には何が何だかさっぱりと分かりませぬぅ!」

 

「死ね。死んでしまえ。猫のうんこ踏んで氏ねっ!」

 

いきなり梓はそう言うと、どこから出したのか?金属バットを片手ににじり寄って来る。

な、なんなんだよっ!

俺が何をしたって言うんだよっ!?

何?千鶴さんと結婚するから悪いのかよっ!!って言うか、しねーよ!

 

カチャリ・・・・カリャリ・・・。

 

!?

 

背後から変な音が聞こえたので思わず振りかってしまった。

・・・・・・・は、初音ちゃん!?

 

「ひとつ積んでは耕一の為ぇ・・・・。」 かちゃり

 

「ふたつ積んでは耕一の為ぇ・・・・。」 かちゃり

 

「みっつ積んではこぉぉいちのぉたぁめぇぇ〜〜〜」 かちゃり

 

くるり

 

!?

 

「おにいちゃぁぁぁ〜〜〜〜〜ん。」

 

「あ、あひゃっ!?」

 

「結局千鶴を選んだなぁ〜〜〜〜!許さないぃ〜〜〜!!!」

 

「だ、だから!ご、誤解だよっ!初音ちゃん!」

 

「私がこんなに石を積み上げたのにぃぃ〜〜〜〜〜。」

 

「は、はい?」

 

見ると初音ちゃんの背後にはおびただしい数の石が積み上げられていた。

 

!?

 

よく見たらあの石ころって・・・・なんか・・・俺の顔みたい・・・・!?

 

ぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ

 

「ひ、ひぃぃやぁぁ〜〜〜〜〜!!!!」

 

いつの間にか周りは川原になっていた。

空は真っ赤に曇っており、川原には幼い子供達が小さな石を積み上げていた。

それを・・・・頭にツノが生えた数匹の千鶴さんが

 

情け容赦なく壊していく。

 

「ほほほ、もっとよ!もっと高く積み上げるのよっ!!」

 

『うわ〜〜ん、おかぁ〜さぁ〜ん!おとぉ〜さぁ〜ん!』

 

・・・・・・・・・・・・・・・。

 

気が狂う。

いや、まぢで、ほんと勘弁して下さい・・・・・。

泣きながら俺は川原を走った。

後ろからは鬼千鶴さん達が

 

「おほほほ〜!石を・・・石を積むのです。」

 

と言いながら追いかけて来る。

必死!

まさに必死で逃げた。

生まれて此の方、こんなに命懸けで走った事は無いというくらい走った。

気が付けば既に川原はなく、後ろからの声も聞こえなくなった。

ここは何処なのだろう!?

周囲は暗闇しかなく、何も無い・・・・。

それでも闇雲に走り回った。

 

「はぁっ!はぁっ!・・・・・げほっ・・・。」

 

もう駄目だ・・・これ以上は走れない・・・・・・。

一体、ここは何処なんだ?

・・・・・・・・・・・・・・・・・。

って言うか、なんかこの地面、おかしくないか?

なんか妙にぷよぷよしてるし・・・・。

気が付くと、俺の周囲は断崖絶壁に囲まれていた・・・。

 

「は、はぁ!?ど、何処だここ!俺はいつの間にこんなところにいたんだ!?」

 

!?

 

ちがうっ!

 

俺は・・・・・・俺がいるのって、ひょっとしてっ!?

 

『・・・・・・・逃がしません。』

 

楓ちゃんの掌の上だった。

 

「はぁぁぁぁぁぁーーーーー!!!!」 (おしっこジャ〜)

 

天王星まで逃げたって、弥勒菩薩(楓)の手の上。

 

「ゆ、許してくださぁぁ〜〜い!!」

 

『・・・・・・・汝、浮気することなかれ!』

 

『オラオラオラオラァーーーーッ!!!』

 

どぐわしゃっ

 

「らぶひなっ!?」

 

巨大楓ちゃんにぶん殴られて俺はきりもみ状態で吹っ飛んだ・・・・。

・・・・死んだのか・・・・・?

・・・・・・・・・・・・。

 

ぱっ

 

「!?」

突然、また場面が切り替わっていた。

暗闇の中で俺にだけ、どこからともなくスポットライトが当てられていた。

 

『裁判長〜入廷ぃ〜!』

 

バンッ

 

目の前に裁判官みたいな格好の・・・・楓ちゃんが・・・・。

 

「・・・・・原告側、被告人の罪状確認を。」

 

すると暗闇から俺の目の前に梓が現れ、

 

被告人、柏木耕一は、原告の3名である柏木楓・柏木梓・柏木初音の

 

 純粋無垢な心を弄んだ上、

 なおかつ、この3名の原告を裏切り、柏木千鶴と婚姻すると言う、

 

 近年まれに見る凶悪犯罪を犯した罪により、

 

 我々は被告人、柏木耕一を告発いたします。」

 

「な、なんじゃぁっ!?そりゃっ!?」

 

ガンガンッ

 

「・・・・・・被告人、静粛に。

 ・・・・・・・・では原告側、被告人の求刑を。」

 

「はい、被告人の犯行は全く以って自己中心的であり、

 

 なおかつ情状酌量の余地がないと我々は判断いたしました。

 

 よって、我々原告側は被告人、柏木耕一に対し・・・・・

 死刑を求刑いたします。

 

「シケイですくわっ?なにそれっ!?

 

 そんなオチでイイノッ!?」

 

「・・・・・被告人の弁護人、何か反論は?」

 

いつの間にか初音ちゃんが俺の横に座っていた。

 

「は、初音ちゃん!頼むよっ!助けてくれよ〜!」

 

「・・・・・・・弁護人、被告人の弁護を。」

 

「は、初音ちゃぁぁ〜〜ん!!黙ってないで、何か言ってくれよっ!」

 

「お兄ちゃん・・・・・弁護のしようがないよ・・・・。

 

そりゃねぇっすよ・・・・。

 

もうやめてぇっ!

 

あなた方は、わたくしをまるで、

 

魔女狩りの魔女のように吊るし上げるのですか!?

 

「・・・・・・では判決を言い渡す。」

 

早っ!!

 

「・・・・・・被告人、柏木耕一に、求刑どおり死刑を言い渡す。

 

・・・・・・・・。(涙)

スルスルスル・・・・・。

何処からともなく俺の目の前に絞首刑の縄が下りてきた。

即、執行ですか。

俺は放心状態で立ち尽くしていた。

 

「・・・・・・ただし、被告人がある条件を果たした場合にのみ、無罪を言い渡す。」

 

!?

 

「な、何だよ!?その条件っていうのは一体・・・!?」

 

じり・・・。

 

「おわっ!?」

 

いつの間にか梓・楓ちゃん・初音ちゃんが俺ににじり寄っていた。

 

って・・・・何だとっ!?

3人ともウェディングドレス着てるぅ・・・・・。

 

「あたし達とも責任とって結婚しろよな。」

 

「・・・・・・永遠に愛して下さい。」

 

「えへへ、もう離れないよ〜♪」

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・。

今まで散々嫌な夢を見てきたが・・・・・・。

今日ほど凶悪な夢を見たのは初めてだ・・・・・。

・・・・・・・・って言うか、

夢の中でショック死しそうだ。

 

サイケデリック・バイオレンス・&

クライム・オブ・ビジュアルショックッ!!

 

 

(See You Next Space Cowboy)